観客の予想を破壊すること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:50 UTC 版)
「もののけ姫」の記事における「観客の予想を破壊すること」の解説
物語の図式は森と人界の対立。乙事主たちとエボシたちが激突する、ここまでは観客の予想図式と一致する。普通の映画ではこれで全部辻褄が合う、ただの宿命の対決となる。ここで予想を破壊する、宿命も何も無い、もっと暴力的な図式を提示する。乙事主たちとエボシたちがぶつかる、そのエボシたちの後ろから侍たちの大きな勢力が加わっている。更にそれが進行した形態として、侍たちが突出してエボシたちを飲み込み、乙事主たちと直接ぶつかっている図が描かれる。 アシタカが事態に気が付いたときには、既にこの図式のようになっており、何故こんなことが起こったのだろう、という形で事態が転化していく。それはその中で翻弄されるアシタカの心境であり、それは観客と同じ次元になる。事件に気が付き、発生した順番の逆から出会って行くのが現代であるためである。
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