複数のボース粒子の系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:36 UTC 版)
詳細は「同種粒子」を参照 場の量子論から、整数スピンを持つ粒子は、2つの同種粒子を入れ替えたとき、波動関数の符号が変化しない。つまり複数の同種のボース粒子からなる系の全波動関数を ψ, i 番目の粒子の座標を xi としたとき、 ψ ( … , x i , … , x j , … ) = ψ ( … , x j , … , x i , … ) {\displaystyle {\psi }(\ldots ,x_{i},\ldots ,x_{j},\ldots )={\psi }(\ldots ,x_{j},\ldots ,x_{i},\ldots )} のように i 番目と j 番目の粒子を入れ替えても、波動関数の正負が逆転しない。 すなわち、2つのボース粒子があってそれぞれの1粒子の波動関数が φ ,χ と表せるなら、2つのボース粒子の全波動関数は単に、 ψ ( x 1 , x 2 ) = ϕ ( x 1 ) χ ( x 2 ) {\displaystyle \psi (x_{1},x_{2})=\phi (x_{1})\chi (x_{2})} ではなく、この入れ替えについての性質から ψ ( x 1 , x 2 ) = ϕ ( x 1 ) χ ( x 2 ) + ϕ ( x 2 ) χ ( x 1 ) {\displaystyle \psi (x_{1},x_{2})=\phi (x_{1})\chi (x_{2})+\phi (x_{2})\chi (x_{1})} と表されなくてはならない。 フェルミ粒子と異なり、ボース粒子には2つの粒子が同じ1粒子波動関数をとっている ψ ( x 1 , x 2 ) = ϕ ( x 1 ) ϕ ( x 2 ) {\displaystyle \psi (x_{1},x_{2})=\phi (x_{1})\phi (x_{2})} のような状態が許される。すなわち、1つの体系内であっても同一の量子状態をいくつもの粒子がとりうる。この規則から、熱平衡状態にある1種類のボース粒子群からなる体系の従う量子統計が導かれ、これをボース=アインシュタイン統計という。
※この「複数のボース粒子の系」の解説は、「ボース粒子」の解説の一部です。
「複数のボース粒子の系」を含む「ボース粒子」の記事については、「ボース粒子」の概要を参照ください。
- 複数のボース粒子の系のページへのリンク