草別れの段(後の別れの段とも)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:57 UTC 版)
「芦屋道満大内鑑」の記事における「草別れの段(後の別れの段とも)」の解説
ようやく信太の森に到着した保名一行は、菊が乱れ咲く中、狐を探して回る。葛の葉が「どうかこの子に会ってやって欲しい」と懇願すると、ふたたび葛の葉そっくりに化けた狐が現れる。保名は狐の葛の葉に走り寄って「物の怪だろうが構わない。せめてこの子の物心が付くまで育てて欲しい」と訴えかける。本物の葛の葉も、保名の面倒を見、童子を産み育ててくれたことを感謝し、自分のせいで親と別れなければならなくなったこの子が、自分を母と思い込んで乳を求めるのが悲しいと泣き伏す。それを聞いた狐は「正体を知られてしまっては1日たりとも人に混じって暮らすことができない。後のことは葛の葉に頼む」と童子に乳を含ませながら答える。それでも保名は戻ってくるように懇願するが、狐は「この姿だから引き留めるのだろう」と白狐の姿に戻って、我が子の身を案じるように草むらに姿を消す。保名は「どんな姿だろうが構わない」と後を追おうとするが、深い草むらに阻まれる。
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