経済要録とは? わかりやすく解説

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けいざいようろく〔ケイザイエウロク〕【経済要録】

読み方:けいざいようろく

江戸後期経済書。15巻佐藤信淵(のぶひろ)著。文政10年(1827)成立安政6年(1859)刊。総論創業篇・開物篇・富国篇の4篇からなり産業興し、国を富ませて、人民救済することを説いたもの。


経済要録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 16:39 UTC 版)

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経済要録』(けいざいようろく)は、佐藤信淵による江戸時代後期の経済書・経世書である。15巻。1827年成立。1859年刊。総論・創業篇・開物篇・富国篇の4篇で構成される。

概要

この要録に信淵は、「我が家の学問の原規則は、古今にわたり和・漢・印度の道学をもって基本とし、これを高皇産霊神(タカミムスビノカミ)が天地をつくり給いたる神意に折衷したるものなり」と記した[1]平田篤胤の説く産霊神による万物生成論の影響が強くみられ、その経済論の土台は生産力の原理であった[1][2]。これはまた、文政期の社会問題が貧困から発していたことに即応したものでもあった[1]。信淵は、「経済とは国土を経営し物産を開発して領地内を豊かにし、万民を救済することにある」として、経済の最重要政策として、創業、開物、富国、垂統の4条を掲げている[1]。このなかの「垂統」こそ信淵の政治経済学の核心をなすものであり、これを拡大し具体的に述べたのが『垂統秘録』であった[1]。経済要録は、しばしば近世の経世論として最も体系化されたもののひとつとされる[3]。それは、「垂統」すなわち「子々孫々万世衰微すること無く、其の国家をして永久全盛ならしむるを云ふ」として強大な中央集権的政府を構想し、政府が中心となって国土を開発し、諸産業をおこして政府統制下におき、秩序ある交易を振興し、国を富まし、もって国民生活の安定を計るべきことを説くものであった[1][3]。『岩波文庫』『日本経済大典』『佐藤信淵家学全集』に所収されている。

脚注

  1. ^ a b c d e f 国安寛・柴田次雄・渡部綱次郎ほか『近世の秋田』秋田魁新報社、1991年11月。ISBN 4-87020-088-0
  2. ^ 桂島宣弘「平田国学と豪農層」『朝日百科日本の歴史9 近世から近代へI』野上毅編、朝日新聞社、1989年4月。ISBN 4-02-380007-4
  3. ^ a b コトバンク「経済要録」



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