索具に体を縛り付けたファラガット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:03 UTC 版)
「モービル湾の海戦」の記事における「索具に体を縛り付けたファラガット」の解説
この戦闘に関する逸話は幾らか劇的なものがある。例えば、ファラガットはモーガン砦下を通過するときに、自身の体をマストに縛り付けた。そのイメージが伝えるものは絶対的な決断である。戦闘中にその乗艦が沈み始めたならば、自身も共に海中に入ったことになる。しかし事実はもっと平凡なものである。ファラガットは実際にメインマストの索具に自身を縛り付けたが、挑戦というよりも警戒のための行動だった。この行動は戦闘が始まり、大砲の硝煙があたりに漂ったときに起こった。ファラガットは戦闘の様子をもっと良く見るためにハートフォードの索具に昇り、間もなく墜落すれば不具になるか死んでしまうような高さまで来た。これを見たドレイトン艦長が水夫にロープを持たせて提督の体を縛り付けさせた。ファラガットは「気にするな、大丈夫だ」と行って抵抗したが、水夫は艦長の命令に従い、ロープの一端を前の横静索に縛り、それを提督の体に巻き付け、他の一端を後の横静索に結んだ。 後にCSSテネシーが北軍艦隊に単独攻撃を挑んだとき、ファラガットは後檣索具に昇った。ドレイトン艦長はこのときもその安全性が気になり、艦隊副指揮官のJ・クリッテンデン・ワトソンに再度ファラガットを縛り付けさせた。ファラガットはこの戦闘中に索具に2度縛られたことになった。
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