第三章 持たざる密室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 21:33 UTC 版)
「彼女の色に届くまで」の記事における「第三章 持たざる密室」の解説
礼に誘われて一緒に芸大の美術学部に進学した千坂は、その天才ぶりと変人ぶりを遺憾なく発揮し、教授や学生たちから注目されるとともに、妬みから「天才様」、彼女の面倒を甲斐甲斐しく見る礼は「飼育係」と陰口を叩かれていた。ある夏休みの日、美術学部棟4階にある油画専攻の第2アトリエの廊下のむこうにある「適当部屋」と呼ばれる倉庫で小火が起きた。燃えたのは千坂と並ぶ油画専の天才と注目される楠美修平の絵だったが、「適当部屋」はそれまでの無施錠から1週間ほど前に鍵を新しく付けたために密室状態であった。発見者は礼の高校時代からの友人で体育大学に通う筋肉自慢の風戸翔馬で、3階にアトリエがある彫刻専攻のモデルで芸大に来ていたところ小火を発見し、自慢の筋肉の力でドアを破壊して消火をしたという。油画専の妹尾教授は密室状況から、ドアを破壊してから素早く火を放つという風戸の早業による犯行以外考えられないという。この謎を、エドゥアール・ヴュイヤールの「室内にて」をヒントに千坂が解き明かし、彼女の推理を礼が解説する。
※この「第三章 持たざる密室」の解説は、「彼女の色に届くまで」の解説の一部です。
「第三章 持たざる密室」を含む「彼女の色に届くまで」の記事については、「彼女の色に届くまで」の概要を参照ください。
- 第三章 持たざる密室のページへのリンク