神経伝達物質と興奮毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 03:32 UTC 版)
「グルタミン酸」の記事における「神経伝達物質と興奮毒」の解説
グルタミン酸は、神経系では、興奮性神経伝達物質の一つであり、記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。他方、グルタミン酸は、神経系では、内因性興奮毒としての性質を持ち、細胞死、パーキンソン病、抑うつなどの神経症に関わっている。大脳皮質でグルタミン酸は脳虚血などの病的状態においては神経毒として作用し、神経細胞の壊死を起こすことが知られている。 最近、トリプトファン代謝産物であるキヌレン酸が脊髄においてNMDA型グルタミン酸受容体に作用しグルタミン酸に拮抗することが報告されており、脳内でグルタミン酸の興奮毒性の抑制に重要な機能的役割を担っていることが想定される。なお、グルタミン酸は、血液脳関門を透過しないので、循環系から脳に供給されることはないが、グルタミンは通過する。
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