社会静学と社会動学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 01:05 UTC 版)
『実証精神論』の紹介で述べたように、コントがいう法則は時間的に継起しておこる現象についての法則(継起の法則)と同時に存在することがらの関連について述べる法則(調和の法則)とに分けることができる。コントはこれに対応させて、社会学の研究を社会動学(英語では英語: social dynamics, 仏語ではフランス語: la dyamique sociale)、社会静学(英語では英語: social statics, 仏語では フランス語: la statique sciale)とに分ける。しかし、かれの社会動学はすでに紹介した三段階の法則を繰り返しているだけで社会静学についてかれが述べていることは、社会組織の原型は家族にあるという議論や女性は男性に比べて生物学的に劣った存在であるという議論など到底支持できる内容ではない。コントは実証主義の方法論や社会学の枠組を与えることには貢献したが、かれの社会学研究の内容そのものはほとんど顧みられていない。
※この「社会静学と社会動学」の解説は、「実証精神論」の解説の一部です。
「社会静学と社会動学」を含む「実証精神論」の記事については、「実証精神論」の概要を参照ください。
- 社会静学と社会動学のページへのリンク