白酒売の出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 23:17 UTC 版)
酒売が花道に現れて助六を呼び止める。助六はぶしつけな呼び声に怒る。「どいつだ。大どぶへさらい込むぞ、鼻の穴へ屋形船を蹴込むぞ。(節をつけて)こりゃまた何のこったい」 呼び止めた男、白酒売新兵衛の顔を見ると、なんとそれは曾我十郎祐成、すなわち五郎の兄ではないか。新兵衛は、助六(曾我五郎時致)が無法な喧嘩三昧の日々を送っていることを指摘し、いさめた。助六は、源氏の宝刀・友切丸が紛失したままになっていることを指摘した。友切丸紛失の責任を、兄弟の義理の父・曾我祐信が負わされたのだ。その刀を詮議するため、他人に刀を抜かせる、抜かせるために相手を怒らせる、相手を怒らせるために喧嘩を吹っかけているのだ、喧嘩は全て宝刀の捜索のためであると、真実を明かした。新兵衛はもちろんその言を受け入れた。兄は弟の喧嘩を奨励するのだった。それだけでなく、新兵衛自身も「喧嘩のやり方」を助六から習う。上品で和事の極致にいるような兄が見よう見まねで喧嘩のまねごとをするが、まったく迫力がない。「おかしみ」のつきない和事らしい一幕である。
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