生物学的解離と心理的解離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/30 07:09 UTC 版)
「解離 (心理学)」の記事における「生物学的解離と心理的解離」の解説
パトナム (Putnam,F.W.) とともに北米での解離性障害の大家として知られるコリン・ロス (Ross, C.A.) は1997年に解離性同一性障害についての治療者の教科書ともいえる『解離性同一性障害:多重人格の診断、臨床的特徴、および治療』改訂版において、解離を「病的/健康」「心理的/生物学的」の 2つの軸により 4つに分けている。 健康な心理的解離は「講義に退屈するという心理現象のために白昼夢を見、授業の内容を思い出せない」。 健康な生物学的解離は「睡眠という生物学的な現象に伴い、夜中にトイレに行ったことを思い出せない」。 病的な生物学的解離は「脳震盪という脳への生物学的な影響のために交通事故を思い出せない」。 そして病的な心理的解離が解離性障害であるとする。 後述するヒルガード (Hilgard,E.R.) の実験のように催眠によっても意図的に解離を引き起こせるが、それはここでいう「健康な心理的解離」であり、また薬物によっても解離を引き起こすことがあるが、それは「病的な生物学的解離」の範囲であり、解離性障害ではない。
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