理論計算機科学における概念との対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 05:35 UTC 版)
「冪対象」の記事における「理論計算機科学における概念との対応」の解説
以上の諸概念は、理論計算機科学における計算手続きの抽象化に重要な役割を果たす。データ型 Y と Z に対し、ZY は Y の型のデータを入力とし、Z の型のデータを出力とするような計算手続きの型を表していると考えることができる。このとき、eval: ZY × Y → Z とは個々の計算手続きと入力データに対して出力データを計算する手続きであると解釈することができる。また、射 g: X × Y → Z に対して λg: X → ZY を考えるということは、g が表していた複数の入力を取る計算手続きに対してカリー化を行うということに対応している。したがって、g = eval(λg × idY) という等式はカリー化された手続きと元の手続きとの関係を表していることになる。 計算機科学やそれに関係した文脈では、これらの概念を以下のように異なった記号や用語で表すことに注意する必要がある。指数対象は [Y → Z] で表し、λg は curry(g) などによって、また、eval は apply(適用)という用語を用いる。これらの記号が用いられた理由はコンピュータスクリーン上の組版の制約のためであったり、ラムダ計算との記号の重複を避けるためであったりということである。
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