淞隠漫録とは? わかりやすく解説

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淞隠漫録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/12 16:18 UTC 版)

淞隠漫録』(そういんまんろく、淞隱漫錄)は、光緒初期の王韜の短編小説集。ジャンルや主題は蒲松齢の『聊斎志異』を模倣しているが、素材の幅は『聊斎志異』よりも広く、日本芸妓や欧州美人の話が多い。

上海で刊行されていた新聞申報」の副刊である絵入り新聞『点石斎画報』の付録として1884年より連載された文言筆記小説である[1]

単行本としての『淞隠漫録』の完成、成立については不明な点が多い[2]魯迅の『中国小説史略』では『淞隠漫録』は「光緒初年の成立」とされているが、忻平は『王韜評伝』にて「1875年、広東刊版、16巻」が初刊であるとしている(ただし、16巻本が刊行された形跡は見当たらず、広東刊というのも詳細不明である)[2]。王韜自身による序文では申報を発行していたアーネスト・メジャーへの言及とともに執筆に至った経緯を述べており、1884年=光緒10年創刊の『点石斎画報』で連載がなされたことを記しており、光緒初年=1874年または1875年が初刊とするのは誤りであろう[2]。游秀雲、陳大康らは自序の記述に基づき、1884年の点石斎版を初刊としている[2]。また、巻十に収録された話には「1886年末に友人から聞いた話」とされており、現行の12巻本の成立が1886年以降であろうという推測も成立する[2]。張海林、中嶋長文らは連載の終了した1887年が単行本の初刊刊行年だと述べている[2]

《自序》

巻一 《記日本女子阿伝事》、《仙人島》、《朱仙》、《蓮貞仙子》など11篇。

巻二 《白秋英》、《周貞女》、《廖劍仙》など10篇。

巻三 《陸碧珊》、《三夢橋》、《畢志雲》、《薬娘》 など11篇。

巻四 《仙谷》、《何華珍》、《女侠》など10篇。

巻五 《白素秋》、《阿憐阿愛》、《四奇人合伝》 など10篇。

巻六 《夜来香》、《剣仙聶碧雲》、《李韻蘭》など10篇。

巻七 《媚麗小伝》、《返生草》 など10篇。

巻八 《海底奇観》、《柳橋艶跡》、《橋北十七名花譜》、《泰西諸戯劇類記》 など10篇。

巻九 《紅芸別墅》、《夢遊地獄》、《陳霞仙》など7篇。

巻十 《蛇妖》、《丁月卿校書小伝》、《鶴媒》、《十二画神》 など11篇。

巻十一 《東瀛才女》、《妙香》、《名優類志》、《三怪》 など10篇。

巻十二 《月仙小伝》、《花溪女史小伝》、《燕剣秋》、《画船記艶》 など11篇。

関連項目

参考文献

出典

  1. ^ 黒川, p. 1「要旨」
  2. ^ a b c d e f 黒川, p. 2Ⅱ 『淞隠漫録』‐成立・刊行時期・刊行者



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