流し込み象嵌

刀剣用語解説集

流し込み象嵌（ながしこみぞうがん）

別彫りした金属の像を嵌め込む象嵌の工法とは基本的に異なるが、彫り下げた部分に異金属を埋め込むことにより装飾効果を高める点では同様といえよう。金工作品の表面に文様を彫り下げ、ここに金・銀・鉛などの熔融した異質の金属を流し込み、固着後に表面処理を施す。鉄地に鉛合金を嵌入した砂張象嵌鐔や、七宝象嵌（ガラス質を嵌入する）がその典型で、流し込んだ異物質が固化収縮する際に生じた気泡など、自然味の感じられる痕跡に一種の趣があり鑑賞のポイントともなっている。