法曹至要抄
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法曹至要抄(ほっそうしようしょう/ほうそうしようしょう)は、日本の平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、法曹官僚の坂上氏により記された法律書である。原型を坂上明兼(中原明兼)[1]が造り、その孫である明基が完成させたといわれる。全3巻。
- ^ 明兼の父・中原範政は明経道の中原氏の庶流俊光の子として生まれ、明法道の坂上定成の養子となって坂上氏の後を継いだが、後に旧姓に戻った。このため、明兼を含めてその子孫は本来「中原氏」が正しく、陽明文庫所蔵『平知信記』紙背文書内の長承2年7月12日付の明法勘注や平安遺文所収『東大寺文書』保安4年9月12日勘状においては「明法博士中原明兼」名義の署名で行われているが、当人は「坂上氏」の名乗りを好んだ。これは歌人でもあった明兼が坂上氏の祖である坂上是則にあやかって、将来勅撰和歌集に自分の和歌が採用される事を願ったもので、勅撰和歌集の編纂が行われるたびに名乗りを「中原」から「坂上」に改めたという伝説がある(『袋草紙』)。真偽は不明であるが、晩年の名乗りが「坂上」であったのは確認されている。
- ^ 長又、2020年、P8-10.
- ^ 長又、2020年、P34-42.
- ^ 上巻(62項)には罪科条62項、中巻(57項)には禁制条14条・売買条8項・負債条1項・出挙条6項・借物条3項・質物条4項・預物条1項・荒地条3項・雑事条17項、下巻(58項)には処分条17項・喪服条5項・服仮条23項・雑穢条13項を収める。
- ^ 棚橋光男「法書『法曹至要抄』」『中世の成立期の法と国家』(塙書房、1983年)の説
- ^ 長又、2020年、P42-48・288-289.
- ^ 長又、2020年、P289-295.
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