治療の仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 14:04 UTC 版)
ミクログリアは統合失調症や不安およびストレス関連障害などの精神障害に影響する。うつ病がミクログリア病であり得ることを示唆する根拠が示され、うつ病治療の標的はミクログリアに発現しているCB2Rと指し示された。 インターフェロン(IFN-α)の副作用の一つであるうつ病の原因は、IFN-αが脳内のミクログリアを活性化し、海馬の神経新生を阻止する為との報告がある。HPVワクチン(ガーダシル)を注射したマウスの免疫組織化学分析では、海馬のCA1領域においてミクログリアの活性化が明らかとなった。それは、アジュバントのアルミニウムによるものと示唆された。 IFN-α誘発性の抑うつは、ミクログリアの活性化を抑制する薬剤で改善できるかもしれない。マウスの実験では、IFN-α誘発性の抑うつ行動がミノサイクリン処置で抑制された。ミノサイクリンはIFN-α誘発性うつ病患者の治療に有望な薬剤と示唆された。ミクログリアの活性化を抑える薬剤は慢性疲労症候群(CFS)の特効薬として開発が始まっている。
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