江崎保男とは? わかりやすく解説

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江崎保男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/05 15:11 UTC 版)

江崎 保男(えざきやすお、1951年12月12日-)は、日本の生物学者。

兵庫県立大学名誉教授。兵庫県立コウノトリの郷公園第3代園長。専門は動物生態学京都大学理学博士(1985年)。

経歴

大阪市出身。1970年(昭和45年)大阪府立大手前高等学校を卒業後、京都大学理学部に入学、京都大学大学院理学研究科に進み、川那部浩哉教授に師事し、動物生態学を学ぶ。 1992年、姫路工業大学の助教授に採用され、2004年教授に昇進した。この間、兵庫県立人と自然の博物館の主任研究員を兼務した。大学の統合後は、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の教授となり、同研究所所長を務めると同時に、兵庫県立人と自然の博物館研究部長を兼務した。本来なら公立鳥取環境大学の教員に赴任する事を望んでいたが、結局博物館研究部長にとどまった。一方、同大学院環境人間学研究科の教授を併任し、大学院生の指導にあたった。2010年に兼務先を兵庫県立コウノトリの郷公園に移し、2014年同公園内に兵庫県立大学の独立大学院、地域資源マネジメント研究科を立ち上げ、初代研究科長に就任した。2019年に定年退官し、同公園・園長を2023年まで務めた。(尚、鳥取環境大学からヘッドハンティングの依頼もあったが「此の大学の教員はレベルが低い」との見解を示しており、結局断っている。)

学問における位置づけ

主に鳥類の生態を研究してきた。特にハビタットの差異に着目した一夫多妻鳥オオヨシキリの配偶システムの研究は、An Introduction to Behavioral Ecology 第3版で紹介され、広く世界にその功績を認められている。また、固い絆の一夫一妻であるコウノトリの研究に尽力し、現在のコウノトリ研究の基盤を作った。(※尚、コウノトリに関しては鳥取県でも記録されているが、公立鳥取環境大学の教職員とは一切協力せず、独占の形で研究している。)

またイソヒヨドリの調査に関しては、過去に他大学から入学し中退した院生が途中迄仕上げていた調査論文を、後に入学した院生の研究論文に転用したとも言われている。

略歴

受賞・表彰

  • 第20回山階芳麿賞(2018年)
  • 第70回兵庫県教育功労者(2018年)
  • 令和5年河川功労者(2023年)
  • 令和5年兵庫県功労者(学術教育功労:2023年)

著書

  • 江崎保男 2007.生態系ってなに?,中公新書東京
  • 江崎保男 2012.自然を捉えなおす,中公新書,東京

編書

  • 川那部浩哉・遠藤 彰・江崎保男 1990(訳).動物群集の様式.思索社東京
  • Urano, E., Ezaki, Y. & Yamagishi, S. 1995. Ecology and Mating System of the Great Reed Warbler: An Inhabitant of Reed Marsh. Ornithological Society of Japan. Osaka
  • 江崎保男・田中哲夫 1998.水辺の環境保全-生物群集の視点から.朝倉書店,東京
  • 江崎保男・和田 岳 2002.近畿地区鳥類レッドデータブック-絶滅危惧種判定システムの開発.京都大学学術出版会京都
  • 江崎保男・山崎剛史・森岡弘之 2006.小林桂助コレクション鳥類標本目録.兵庫県立人と自然の博物館,三田
  • 江崎保男2007.土木工学生態学の壁はとりのぞかれたか?応用生態工学会(応用生態工学20巻1号),東京
  • 江崎保男(監修) 日本野鳥の会兵庫県支部 2006.兵庫県における鳥類の分布と変遷.兵庫県立人と自然の博物館,三田
  • 谷田一三・江崎保男・一柳英隆 2015.ダム湖の環境保全Ⅲ,京都大学学術出版会,京都
  • 江崎保男・富田恭正・高木嘉彦 2018.コウノトリ野生復帰の手引書.コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル, 東京

分担執筆書

  • 大津市の植生と鳥類(1981)大津市
  • 岩波生物学辞典第3版(1983)岩波書店東京
  • 小学館日本大百科全書(1985,86)小学館,東京
  • 京都歳時記(1986)淡交社京都
  • 鳥類の繁殖戦略(上)(1986)東海大学出版会,東京
  • Mutualism and Community Organization (1993) Oxford University Press, Oxford
  • Animal Societies: Individuals, Interactions and Organisation (1995) Kyoto University Press, Kyoto
  • 日本動物大百科鳥類I(1996)平凡社,東京
  • 人と自然61話(2002)兵庫県立人と自然の博物館,三田
  • 鳥類学事典(2004)昭和堂,京都
  • 川の百科事典(2008)丸善株式会社,東京
  • 水辺と人の環境学(中)-人々の生活と水辺-(2014)朝倉書店,東京
  • 水辺と人の環境学(下)-川から海へ-(2014)朝倉書店,東京
  • 五穀豊穣ひょうご(2018)兵庫県立大学地域創造機構, 神戸
  • 持続可能な社会のための環境教育シリーズ(8) SDGsにおける湿地教育・環境教育(2019)筑波書房,東京



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