民間信仰の一つ目小僧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 14:50 UTC 版)
関東地方では旧暦2月8日と12月8日の事八日の夜に箕借り婆と共に山里から出てくるという言い伝えがあり、目籠を軒先に掲げて追い払う行事をする。また地方によっては籠にヒイラギを刺すが、これは一つ目を突き刺す意味とされる。この事八日はかつては物忌として仕事をせず、家に籠もっている地方が多かったが、この祭事の家籠もりがいつしか、化け物が現れるから家に籠もると解釈されるようになり、その化け物が一つ目小僧や箕借り婆だという説もある。 また関東地方の伝承では、一つ目小僧は事八日に毎年帳面を持って家々を回り、戸締りが悪い、行儀が悪いなどの家の落ち度を調べ、家族の運勢を決める、または疫病神へ報告して災難をもたらすともいう。この際、一つ目小僧は12月8日に家の落ち度を帳面に記入して道祖神に一旦預け、2月8日にそれを受け取りに来るとされることから、この帳面を焼き払う行事として、神奈川県横浜市瀬谷区では道祖神の仮の祠を作って1月14日のどんど焼きで燃やし、静岡県の伊豆地方では正月15日の道祖神祭で道祖神像を火の中に入れて焼くなどの風習がある。こうすることで、一つ目小僧が2月8日に道祖神のもとへ帳面を受け取りに行くと、預けてあったはずの帳面がなくなっているので、災難から逃れられるのだという。
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