民事訴訟における相殺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 21:43 UTC 版)
民事訴訟において、相手の請求に対して、相殺があったこと(又は相殺をすること)を主張することを相殺の抗弁という。すでに相殺の意思表示を行ったという抗弁(裁判外の相殺の抗弁)と、当該法廷において(相手の債権が認められることを条件とした)相殺の意思表示を行うという抗弁(訴訟上の相殺の抗弁)の2種類がある。 たとえば、原告の主張する金銭債権が認められても、被告によってその全額について相殺の抗弁が主張され、その主張を裁判所が認めた場合は、相殺の抗弁を主張した被告が勝訴することになる。しかし、訴訟上の相殺の抗弁の場合には、勝訴した被告にも実体的な債権の消滅という不利益をもたらすので、弁済など他の抗弁も同時に主張されている場合はまずそちらの抗弁について先に認められるか否かを判断するものとされている。 相殺の抗弁の対象となった債権については、既判力の効力により再度の主張が禁じられる(民事訴訟法114条2項)。主文だけでなく理由中の判断にも既判力が及ぶ例外的な場合である。
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