死因が溺水にならない例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 04:50 UTC 版)
人が浴槽で沈んでいた等、水死のように見て取れても、実際は水死ではなく他の要因で死亡した事が解剖によって判明する場合がある。 溺水によって死亡した遺体の場合、肺を解剖すると、中は泡立った水で満たされている事が多い。この泡は、呼吸する際の吸気と呼気によって水が攪拌されてできる泡である。肺内部からこのような泡が確認されると、呼吸しながら水を吸い込んだ、つまり水を吸い込む直前まで生きていた事を示すので、溺れた事によって水死した可能性が高いといえる。 逆にこのような泡が確認されない場合は、呼吸していない状態、すなわち溺れる前から既に死んでいて呼吸が止まっていると思われる状態で、後から呼吸器内に水が侵入したといえる。この場合、呼吸器内に水が侵入するより前に、病死や殺人事件などの他の要因で死亡した可能性が高いので、水死にはならない。 この例は、遺族が死亡診断書を書いた医師に対してクレームを入れるなどの争いが起きやすい。死亡診断書の死因の項目が、病死か溺水(事故死)かによって、支払われる保険金の額が変わるからである。
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