歌唱テクニックについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 05:51 UTC 版)
「アレッサンドロ・モレスキ」の記事における「歌唱テクニックについて」の解説
モレスキはしばしば、下からすくいあげるような歌い方をする。現代の聴衆には耳慣れないものだが、これは装飾の一種として「アッチャカトゥーラ(短前打音)」と呼べるものである。 彼はすべての音にこの「装飾」を加えているのではなく、テキストを強調したい場合や、曲想に応じて使っているのだが、これは、モレスキが学んだサン・サルヴァトーレ教会附属音楽学校でも、歌詞や旋律を強調する手段として、当時教えていたテクニックだった。 システィーナ礼拝堂には大変ゆたかな共鳴があり、前打音として付加された低音は、実際に楽譜に書かれた高音と混ざり合って聴こえることになる。それによって、高域の音色に深みを与えることができる。 1902年にバチカンでテノールの独唱を務めていたコマンディーニも同様のテクニックを使っていたという。 しかし録音された音源にはほとんど残響がない。当時の録音技術では、マイク(というより「集音ラッパ」と呼ぶべき形状のもの)を、かなり歌手の口元に近づけなければ、音を拾うことができなかったためである。
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