歌の吹替問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 23:21 UTC 版)
「ウエスト・サイド物語 (映画)」の記事における「歌の吹替問題」の解説
主役級の俳優たちの歌は大部分が吹き替えられており、吹替歌手の名前は映画でもサウンドトラック・アルバムでもクレジットされていなかった(現在販売されているものにはクレジットされている)。これは当時広く行われていた慣習であったが、後にいくつかの問題に発展した。 特に大きな問題となったのはナタリー・ウッドの吹替である。ウッドは自分の声が使われると信じて撮影を行っていたが、裏ではマーニ・ニクソンによる吹替が決められていた。撮影終了後に初めて自分の声が使われないと知ったウッドは激怒したと伝えられる。そのため、ニクソンの録音はウッドの協力のない状態で行わざるを得ず、アップショットの場面を中心にウッドの歌い間違いの修正に苦心した上、最後のシーンのマリアの「触らないで!」(“Don't you touch him!”)と「大好きよ、アントン」(“Te adoro, Anton.”)の台詞吹替まで行うことになった。このことからニクソンは、サウンドトラック・アルバムの売上の一部を要求するに至ったが、配給会社もレコード会社もこれを聞き入れず、結局はバーンスタインが自主的に報酬の一部をニクソンに回すことで解決を図った。 他にも、アニタの吹替を担当したワンドが訴訟を起こし、サウンドトラックの売上の一部を受け取ることで和解している。
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