桜ish―推定魔法少女―とは？わかりやすく解説

『桜ish―推定魔法少女―』（ちぇりっしゅ―すいていまほうしょうじょ―）は、原作：デジターボ、著：一肇、イラスト：三杜シノヴ（ニトロプラス）のライトノベルである。角川スニーカー文庫より2巻が刊行されている。

隔月刊雑誌『ザ・スニーカー』にて2006年10月号から2008年4月号まで連載された（2007年6月号は休載）。現在文庫未収録分とされる雑誌連載分は6話分あるが、全てが文庫に収録されるかどうかは未定。現在、雑誌連載版と文庫版では大幅改稿されているため設定に違いがある。雑誌版では第4話（2007年4月号）まで安曇小石がイラストを担当していたが、第5話（2007年8月号）・文庫版から前述の三杜シノヴに変更されている。

以下は文庫2巻までの設定やキャラクターを記したものである。

あらすじ

大度城（おどき）学園に通う佐倉恭一は、想いを寄せる同級生の水野ひなた達と学園七不思議を解明する為に深夜の学校に侵入する。しかし、それを発端に学園で異常な事件が多発するようになる。それは異世界の犯罪組織「永中科儀社」が恋する人から発生する「恋粉」を狙い活動を開始した為だった。魔道数式と呼ばれる力を使う彼等と恋粉を奪う「蟲」に対抗できるのは、刻時機構と呼ばれる組織から任命された3人の魔法少女「恋天使」のみ。しかし、その恋天使に何の因果か恭一達が任命されてしまう。その上、永中科儀社はひなたをターゲットにしてしまい、恭一は恋天使チェリーに変身し、ひなたを守る為に戦わざるを得なくなってしまう。果たして恭一はひなたの恋を守る事ができるのか？「心に翼。瞳に勇気。愛は全ての悪を断つ！」

登場人物

主要キャラクター（恋天使）

佐倉恭一（さくらきょういち）: 主人公の中学2年生。ネガティブな性格で自分に自信が持てない。4歳までの記憶が欠落している。ふとした事から好意を抱く水野ひなたの為に、恋天使チェリーに変身して永中科儀社と戦う事になる。実家は花屋で料理の上手な父親と母親そして小学生の妹の4人暮らし。

恋天使チェリー: 恭一が変身する紅の魔道数式を操る恋天使。恭一とは打って変わってポジティブな性格（3人の恋天使の内、何故彼女だけ変身後に性格が変わるのかは不明）。その力は3人の恋天使の中でも随一。

吉住怜（よしずみれい）: 恭一のクラスのクラス委員。容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、おまけに家柄も良いという女生徒の憧れの的。基本的には無愛想な性格であり、他人とのかかわりを持ちたがらない。

恋天使バイオレット: 吉住怜が変身する群青の魔道数式を操る恋天使。槍を用いた武術で戦う。

森井透（もりいとおる）: 恭一のクラスメイト。引きこもりであまり学校に来ない。家は大金持ちだが、ひねた性格で口が悪い。

恋天使マリーゴールド: 森井透が変身する金糸雀（かなりあ）の魔道数式を操る恋天使。大金槌が武器。他にも日傘や羽扇など小道具が多い（吉住曰く「勘違い入ってる」）。

大度城学園関係者

水野ひなた（みずのひなた）: 恭一の幼馴染。正義感の強い美少女で、トラブルに首を突っ込む事も少なくない。彼女の持つ恋粉は貴重な物の為、永中科儀社から狙われている。吉住が好き。

春野桃香（はるのももか）: 恭一のクラスメイトの少女。彗星に例えられる程に天然な性格ですぐに暴走してしまう。ひなたに惚れている。偶然からチェリー達三人の正体を知る。

御門あずさ（みかどあずさ）: 普段は学園の養護教諭だが、その正体は刻時機構から派遣された監察官ユーノ=プルコ。恋天使の戦いをサポートするが、いい加減な所がある為、恭一達からはあまり信頼されていない。

土屋耕介（つちやこうすけ）: 恭一の悪友。女好きで調子のいい性格。

蘭丸あかね（らんまるあかね）

永中科儀社

朱璃（しゅり）: 永中科儀社の総帥だが、詳細不明。ひなたの恋粉を狙う。

アグリフィスト=ミルファ: 永中科儀社に所属する数式保持者で六妖儀師の一人。あずさとは旧知の間柄。

イェル=ジーン: 六妖儀師の一人で銀髪の少年。残忍な性格で人を操る能力に長ける。

ルー・ファン・ドードマギー: 六妖儀師の一人で2mを超える巨漢。無口であまり口を聞かない。

用語

刻時機構（こくじきこう）: 別世界にある全界層監査機関。恋天使を任命して、各界層の平和を守っているらしいが詳細不明。
恋天使（ラブエル）: 蟲から人々の恋を守る為に刻時機構から任命される界層守護天使。何の見返りも求めず、人の幸せを守るために自分も犠牲にできる心が資質として必要。役割分担などがあるので3人揃わなければ力は発揮できない。本来は少女が任命されるはずだったが、第117界層（恭一達の世界）は歪んでいた為に恭一達が恋天使として戦う事になった。ちなみに変身中は口調が自動的に女性のものに変換されるようになっている。
オペラ: 刻時機構から送られる変身アイテム。普段はチョーカーにしか見えないが界層に蟲（レウ）が出現するなどの異常が発生すると、本人の意思に関係なく恋天使に変身させられる。恋天使としての使命を終えなければ外れない。更に恭一たちの界層は歪んでおり、その影響でバグがある（恭一たちオペラを身につけた人物が誰かに恋をした上で、相手にそれを気付かれると、恋天使に変身したまま元に戻れなくなる）。
魔道数式（まどうすうしき）: 刻時機構が開発した定理。平たく言えば魔法。恋天使は変身している時のみ、オペラを通じて「限定的に」この力が貸し与えられている。対して魔道数式をフルに使える者は数式保持者（イクスペラー）と呼ばれる。
恋粉（スヴニール）: 恋をする人に発生する希少物質。高値で取引される。中でも水野ひなたの恋粉は「クラン」と呼ばれる最高級の物であるらしい。
蟲（レウ）: 人の心に寄生して恋粉を食い尽くす「圧澱素子」の結晶。寄生された人間は「蟲人（ヒート）」呼ばれる怪物のような姿になり、自分や周囲の人々の恋粉を切り離してしまう。圧澱素子がどこから階層に入り込むのかはまだ不明。
永中科儀社（えいちゅうかぎしゃ）: 界層間縦断犯罪組織。総帥の朱璃を筆頭に六妖儀師（イクスペルシックス）を擁する。蟲を利用し恋粉を手に入れ、売り捌く事を目的としている。