一者論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/19 03:34 UTC 版)
一者論(いっしゃろん、英: henology、ヘノロジー)とは、哲学における存在論・目的論・形而上学の一形態であり、世界・宇宙の根源と想定する「一者」(希: ἕν, hen, ヘン、英: one)について、考察・説明する言説・分野のこと[1]。
歴史的には、パルメニデスの思想(『自然について』)の影響下に書かれた、プラトンの『パルメニデス』『ティマイオス』を基に構築された、新プラトン主義の創始者プロティノスの思想(『エンネアデス』)を直接の起源とする[1]。(同じくプラトンに影響を受けたアリストテレスの『形而上学』も、この系譜を補強している。)
その後、その影響を受けたアウグスティヌス以降の中世のキリスト教神学、そしてルネ・デカルト以降の、特に大陸合理論(理性主義)及びドイツ観念論や、その後のハイデガー等の大陸哲学を中心とする近代哲学・現代哲学の系譜で、この一者論は継承されてきており、西洋の哲学史・宗教史の大部分においては、存在論・目的論・形而上学と一体的な関係にある[1]。
脚注
- ^ a b c カントとハイデガー -近世哲学におけるヘノロジーの役割- - 福谷茂
関連項目
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