斉藤実 (ヨットマン)
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斉藤 実(齊藤 実、さいとう みのる、1934年〈昭和9年〉1月7日 - )は、日本のヨットマン[1][2]。東京都出身[3]。ヨットでの単独世界一周レースの最高峰であるBOCチャレンジに3回出場、また地球を単独で8周帆走した記録を持つ[2][4][5]。愛艇は「酒呑童子 II世」[1][6]。
略歴
1973年にヨットを始め、鳥羽パール(油壷-鳥羽間のレース)などに出場した[2]。
1991年にはクルージングヨットをレース用に改造して、シドニーからニューポートまでの12000海里を単独航海した[注釈 1]。 1998年から1999年の第6回アランド・アローンレースの終了時の表彰式では、欧米のヨット界から「スピリット・オブ・アラウンド・アローン」の称号を与えられた。
2004年には単独ヨット世界一周7回目を達成。 2004年10月16日から2005年6月6日にかけて、世界最高年齢71歳での単独一周航海に成功(航海日数は234日)[1][2]。レース参加のための回航を含めると、それまでに総計で地球を6周したこととなった[2]。
2008年9月-2011年9月には、8度目の単独世界一周(向かい風・潮の流れの影響で難易度が高いとされる「西回りコース」)に成功[4][7][5]。77歳で横浜港に帰還した[4][7][5][8]。
受賞
- 2006年7月、アメリカ合衆国ロードアイランド州ニューポート市のヨット・ミュージアムにおいてシングルハンド・ヨットマンとして殿堂入りした。
- 名門クラブであるクルージン・クラブ・オブ・アメリカにおいて、ヨットマンの最高級の名誉と言われる「ブルーウォーター・メダル」をアジア人で初めて受賞した。
- 2012年2月16日、植村直己冒険賞(第16回)[5][9]。
- 2020年10月、第15回日本スポーツグランプリ[10]。
- 2021年10月、生涯スポーツ功労者[11]。
著書
- 孤闘(2003年8月8日、角川書店、ISBN 978-4048838405)[12]
脚注
注釈
- ^ これを行ったことによりBOCの出場資格を得た。
出典
- ^ a b c 「71歳斉藤さん、最高齢でヨット単独無寄港世界一周」『読売新聞』読売新聞社、2005年6月6日。オリジナルの2005年6月8日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ a b c d e 「71歳斉藤さん、最高齢のヨット単独無寄港世界一周」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年6月6日。オリジナルの2005年6月8日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ 時事通信社
- ^ a b c 「77歳で8度目の世界一周 ヨットマン斉藤さん帰港」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2011年9月17日。オリジナルの2025年6月26日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ a b c d 「植村冒険賞に斉藤実さん 78歳最高齢、ヨット世界一周」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2012年2月16日。オリジナルの2025年6月26日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ 「マスト折れヨット漂流、世界一周の斉藤さんら3人救助」『読売新聞』読売新聞社、2006年4月23日。オリジナルの2006年4月24日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ a b 「77歳、ヨットで単独世界一周 世界最高齢記録を更新」『朝日新聞』朝日新聞社、2011年9月17日。オリジナルの2011年9月17日時点におけるアーカイブ。2025年6月26日閲覧。
- ^ 「植村直己賞にヨットの斉藤実氏」『NHK NEWS WEB』日本放送協会、2012年2月16日。オリジナルの2012年2月17日時点におけるアーカイブ。2012年2月16日閲覧。
- ^ “2011「植村直己冒険賞」授賞式・記念講演会を開催!!”. 植村直己冒険館. 2025年6月26日閲覧。
- ^ “第15回日本スポーツグランプリ受賞者(功績)”. 日本スポーツ協会. 2021年1月31日閲覧。
- ^ “「令和3年度生涯スポーツ功労者」の受賞決定について | 一般社団法人横浜ヨット協会 THE YOKOHAMA YACHT CLUB - YYC -”. www.yyc.or.jp. 2022年5月29日閲覧。
- ^ “「孤闘」斉藤実 [文芸書]”. KADOKAWA. 2024年1月22日閲覧。
外部リンク
- 斉藤実_(ヨットマン)のページへのリンク