推薦者の権利と義務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:46 UTC 版)
郷挙里選の推薦方法は、役所や地方政府全体で選ぶというよりは、長官個人にほとんどの裁量が委ねられる属人的な性格を持っている。例えば孝廉の場合、郡の太守が服喪などの理由で休職した場合は、その郡からは誰も推薦されなかった。裏を返せば、推薦者にとって決められた人数の者を推薦することは、官職に付随する義務であり、よほどの理由がなければ推薦しないわけにはいかず、被推薦者に何らかの落ち度があれば、推薦者が選挙不実として罰せられた。 自然と、推薦者と被推薦者には強固な人間関係が形成された。極端な例としては、後漢末期の荀爽は、袁逢に有道で推薦された際に登用を拒否したにもかかわらず、袁逢が死ぬと3年間も喪に服した。後の時代の推薦、例えば、唐代に行われた科挙の座主・門生も推薦者と被推薦者の間柄であるが、ここまで深い繋がりは見られず、こういった関係はこの時代特有のものである。
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