排反性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 09:56 UTC 版)
2つの事象 A, B の積事象 A ⋂ B が空事象であることを、A と B は互いに排反 (mutually exclusive) であるという。排反事象の積は空事象となるため、その積事象の確率はゼロである。つまり、空事象 ∅ についていつでも P ( ∅ ) = 0 {\displaystyle \operatorname {P} (\varnothing )=0} であるから、 A ∩ B = ∅ ⟹ P ( A ∩ B ) = 0 {\displaystyle A\cap B=\varnothing \implies \operatorname {P} (A\cap B)=0} が成り立つ。したがって条件付き確率の定義より、事象 A, B の(周辺)確率がゼロでない場合、A, B が排反するならば条件付き確率 P(A | B)(および P(B | A))はゼロとなる。 A ∩ B = ∅ ∧ P ( B ) ≠ 0 ⟹ P ( A ∣ B ) = P ( A ∩ B ) P ( B ) = 0. {\displaystyle A\cap B=\varnothing \land \operatorname {P} (B)\neq 0\implies \operatorname {P} (A\mid B)={\frac {\operatorname {P} (A\cap B)}{\operatorname {P} (B)}}=0.} 上述の通り排反事象の積の確率および条件付き確率はゼロとなるが、その逆は成り立たない。このことは確率ゼロの空でない事象の存在によって示される。例えば [0, 1) の実数からランダムに1つを選ぶ場合、A = {x|x ≤ 0.5}, B = {x|x ≥ 0.5} とすると積事象の確率は P(A ∩ B) = P({x|x = 0.5}) = 0 となるが([0, 1) から 0.5 未満の数が、あるいは 0.5 以上の数が選ばれることはある程度期待できたとしても、選ばれた数が 0.5 であることはほとんど確実に期待できない)、積事象自体は A ∩ B = {x|x = 0.5} であって空事象ではなく、したがって A と B は排反ではない。
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