慣性モーメント行列とは? わかりやすく解説

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慣性モーメント行列

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:03 UTC 版)

平行軸の定理」の記事における「慣性モーメント行列」の解説

剛体粒子系の慣性行列は、基準点選び方に依存する質量中心 R に対す慣性行列と他の点 S に対す慣性行列との間には有用な関係があり、この関係は平行軸の定理呼ばれる次の式 [ I S ] = − ∑ i = 1 n m i [ r i − S ] [ r i − S ] , {\displaystyle [I_{S}]=-\sum _{i=1}^{n}m_{i}[r_{i}-S][r_{i}-S],} で与えられる基準点 S に対して測定され剛体粒子系の慣性行列 [IS] を考える。ここで ri粒子 Pi位置を表す(i = 1, ..., n)。[ri − S] はクロス積表現するための歪対称行列であり、任意のベクトル y に対して [ r i − S ] y = ( r i − S ) × y {\displaystyle [r_{i}-S]\mathbf {y} =(\mathbf {r} _{i}-\mathbf {S} )\times \mathbf {y} } となる。 R を剛体系の質量中心とすると R = ( R − S ) + S = d + S {\displaystyle \mathbf {R} =(\mathbf {R} -\mathbf {S} )+\mathbf {S} =\mathbf {d} +\mathbf {S} } である。ここで d は基準点 S から質量中心 R へのベクトルである。慣性行列計算するには、次の式を使用する。 [ I S ] = − ∑ i = 1 n m i [ r i − R + d ] [ r i − R + d ] . {\displaystyle [I_{S}]=-\sum _{i=1}^{n}m_{i}[r_{i}-R+d][r_{i}-R+d].} この式を展開すると [ I S ] = ( − ∑ i = 1 n m i [ r i − R ] [ r i − R ] ) + ( − ∑ i = 1 n m i [ r i − R ] ) [ d ] + [ d ] ( − ∑ i = 1 n m i [ r i − R ] ) + ( − ∑ i = 1 n m i ) [ d ] [ d ] {\displaystyle [I_{S}]=\left(-\sum _{i=1}^{n}m_{i}[r_{i}-R][r_{i}-R]\right)+\left(-\sum _{i=1}^{n}m_{i}[r_{i}-R]\right)[d]+[d]\left(-\sum _{i=1}^{n}m_{i}[r_{i}-R]\right)+\left(-\sum _{i=1}^{n}m_{i}\right)[d][d]} が得られる最初の項は質量中心対す慣性行列 [IR] である。第2項第3項質量中心 R の定義により0となる。つまり ∑ i = 1 n m i ( r i − R ) = 0 {\displaystyle \sum _{i=1}^{n}m_{i}(\mathbf {r} _{i}-\mathbf {R} )=0} である。最後の項は系の総質量 M に d から作られる歪対称行列 [d] の2乗をかけたものである。 結果平行軸の定理は [ I S ] = [ I R ] − M [ d ] 2 {\displaystyle [I_{S}]=[I_{R}]-M[d]^{2}} となる。

※この「慣性モーメント行列」の解説は、「平行軸の定理」の解説の一部です。
「慣性モーメント行列」を含む「平行軸の定理」の記事については、「平行軸の定理」の概要を参照ください。

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