従属変数と変数変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 15:56 UTC 版)
確率変数 X の確率密度関数が fX(x) である時、別変数の確率密度関数 Y = g(X) を計算することができる。(多くの場合は必要ないが。)これは「変数変換」と呼ばれ、実際面では既知の(一様分布等)乱数生成器から任意の形の fg(X) = fY を導き出すことができる。 関数 g が単調写像である時、その結果得られる確率密度関数は f Y ( y ) = | d d y ( g − 1 ( y ) ) | ⋅ f X ( g − 1 ( y ) ) {\displaystyle f_{Y}(y)=\left|{\frac {d}{dy}}(g^{-1}(y))\right|\cdot f_{X}(g^{-1}(y))} である。ここで g−1 は逆写像である。 このことは微分範囲に含まれる確率が変数変換後も不変であることからも分かる。つまり、 | f Y ( y ) d y | = | f X ( x ) d x | , {\displaystyle \left|f_{Y}(y)\,dy\right|=\left|f_{X}(x)\,dx\right|,} または f Y ( y ) = | d x d y | f X ( x ) = | d d y ( x ) | f X ( x ) = | d d y ( g − 1 ( y ) ) | f X ( g − 1 ( y ) ) = f X ( g − 1 ( y ) ) | g ′ ( g − 1 ( y ) ) | {\displaystyle f_{Y}(y)=\left|{\frac {dx}{dy}}\right|f_{X}(x)=\left|{\frac {d}{dy}}(x)\right|f_{X}(x)=\left|{\frac {d}{dy}}(g^{-1}(y))\right|f_{X}(g^{-1}(y))={\frac {f_{X}(g^{-1}(y))}{|g'(g^{-1}(y))|}}} である。一方、単調写像でない確率密度関数 y は ∑ k = 1 n ( y ) | d d y g k − 1 ( y ) | ⋅ f X ( g k − 1 ( y ) ) {\displaystyle \sum _{k=1}^{n(y)}\left|{\frac {d}{dy}}g_{k}^{-1}(y)\right|\cdot f_{X}(g_{k}^{-1}(y))} (n(y) はg(x) = y を満たす x の解の数、gk−1(y) はその解)である。 これを見ると、期待値 E[g(X)] を求めるためには最初に新たな確率変数 Y = g(X) の確率密度 fg(X) を求める必要があると思いたくなる。しかし、 E [ g ( X ) ] = ∫ − ∞ ∞ y f g ( X ) ( y ) d y {\displaystyle \operatorname {E} [g(X)]=\int _{-\infty }^{\infty }yf_{g(X)}(y)\,dy} を計算するよりはむしろ、 E [ g ( X ) ] = ∫ − ∞ ∞ g ( x ) f X ( x ) d x {\displaystyle \operatorname {E} [g(X)]=\int _{-\infty }^{\infty }g(x)f_{X}(x)\,dx} を計算する方がよい。 X と g(X) の両方が確率密度関数を持つ時、あらゆる場合に2つの積分値は等しい。g が単射である必要はない。前者より後者の計算が簡単である場合がある。
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