後搾り(ストリッピング)
後搾りとは、搾乳して乳が出終ったあとでさらに乳を搾り出すことをいいます。一般的に、搾乳は前搾り→搾乳→後搾りの順で行われますが、近年この後搾りはいずれの方法にせよできるだけ行わない方がいいといわれています。 「一滴も残さず搾り切った方がいい」というのは、ひと昔前のことなのです。 しかしながらいまだに後搾りを行っている酪農家は多いのが現状です。 |
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後搾りには、機械をつけたまま行う、「マシンストリッピング」と手搾りで行う「ハンドストリッピング」があります。「ハンドストリッピング」は、手間がかかるということもあり、多頭化とともに行わなくなった 酪農家が多くなりましたが、「マシンストリッピング」は、現在も行われています。 前述したように、この「マシンストリッピング」も行わない方がよいといわれているわけですが、その理由としては、搾乳する作業の効率が落ちる、乳が出なくなってから無理に搾るので 乳頭を傷つけ乳房炎感染しやすいなどの点が上げられます。後搾りは、乳房・乳頭がしぼみかけている搾乳の終わりの段階で乳房をもみますが、その際、カップと乳頭の間にすき間ができてしまい、空気が吸い込まれてしまいます(ライナスリップ現象)。この現象が起きると、いったん絞り出された乳が逆流して乳頭の先に当たり、乳房感染しやすく なるのです。ただし、後搾りを行わないため多量の乳が残ったり、乳房炎になりやすい牛は例外です。 <ミルククラブ情報誌'93 AUTUMN vol.9より> |
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