形成のされる条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 06:03 UTC 版)
網状流路が形成されることを、網状化 (braiding) という。網状化が起こりやすいのは、 河川の流量が頻繁に変化するような場所(流量が減った時、今までは運搬できていた物が堆積するような場所)。 河川の幅が広がって急に水深が浅くなるような場所(それに伴って河川の流速も急に落ちる場所)。 河岸が比較的浸食されやすい場所。 掃流運搬物質(流水によって流されている不溶性の粒子のうち河底付近に存在する比較的大きな粒子、つまり、砂や礫など)が多い場所。 このような条件の場所である。 これを満たしやすい場所としては、それまで山間部を流れていた河川が平野部に出るような場所に形成されることがある扇状地の上、河口近くに土砂が堆積して形成される河口州(三角州)などが挙げられる。このような場所に、網状流路は天然に形成され得る。 これらに対して、河川の水深が深く、流速が速い、すなわち、河川の運搬作用が強くなるような場所では、網状流路が形成されにくくはなるが、それでも掃流運搬物質が多くて、砂礫などが堆積するような場所では、やはりこの網状流路は形成され得る。このように、上記の条件は相互に関係していて、たとえ同じ流速と流量の河川であったとしても(運搬作用の強さが同一の河川であったとしても)、その他の条件によって、一方では網状化が起こり、もう一方では起こらないということもあり得るのである。 いずれにしても、河川が掃流物質を運び切れない、つまり、運搬作用よりも堆積作用の方が強いような場所に、この網状流路は形成され得る。
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