弱大局次元とは? わかりやすく解説

弱次元

(弱大局次元 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/19 15:07 UTC 版)

抽象代数学において、環 R 上の 0 でない右加群 M弱次元: weak dimension)は、Tor群 TorR
n
 
(M, N)
0 でない左 R 加群 N が存在するような最大の数 n(そのような n が存在しなければ無限大)である。左 R 加群の弱次元も同様に定義される。弱次元は Cartan and Eilenberg (1956) によって導入された。弱次元は平坦加群による加群の分解の最短の長さであるので平坦次元 (flat dimension) と呼ばれることもある。加群の弱次元は射影次元を超えない。

環の弱大局次元 (weak global dimension) は TorR
n
 
(M, N)
0 でないような右 R 加群 M と左 R 加群 N が存在するような最大の数 n である。そのような n が存在しなければ、弱大局次元は無限大と定義される。それは環 R の左右の大局次元を超えない。

弱次元

  • 整数Z 上の有理数の加群 Q の弱次元は 0 だが射影次元は 1 である。
  • Z 上の加群 Q/Z の弱次元は 1 だが移入次元0 である。
  • Z 上の加群 Z の弱次元は 0 だが移入次元は 1 である。

弱大局次元

  • フォン・ノイマン正則環の弱大局次元は 0 であり、かつ、弱大局次元が 0 の環はフォン・ノイマン正則環に限る。
  • プリューファー整域の弱大局次元は高々 1 である。
  • 無限個の体の直積の弱大局次元は 0 だが大局次元は 0 でない。
  • 環が右ネーターならば右大局次元は弱大局次元と同じであり、左大局次元を超えない。特に環が右かつ左ネーターならば左右の大局次元と弱大局次元はすべて同じである。
  • 三角行列環英語版 の右大局次元は 1 で弱大局次元は 1 だが、左大局次元は 2 である。それは右ネーターだが左ネーターでない。

参考文献


弱大局次元

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/19 15:07 UTC 版)

弱次元」の記事における「弱大局次元」の解説

フォン・ノイマン正則環の弱大局次元は 0 であり、かつ、弱大局次元が 0 の環はフォン・ノイマン正則環に限る。 プリューファー整域の弱大局次元は高々 1 である。 無限個の体の直積の弱大局次元は 0 だが大局次元は 0 でない。 環が右ネーターならば右大局次元は弱大局次元と同じであり、左大局次元超えない。特に環が右かつ左ネーターならば左右大局次元と弱大局次元はすべて同じである。 三角行列環(英語版) [ Z Q 0 Q ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}\mathbf {Z} &\mathbf {Q} \\0&\mathbf {Q} \end{bmatrix}}} の右大局次元は 1 で弱大局次元は 1 だが、左大局次元は 2 である。それは右ネーターだが左ネーターでない。

※この「弱大局次元」の解説は、「弱次元」の解説の一部です。
「弱大局次元」を含む「弱次元」の記事については、「弱次元」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「弱大局次元」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「弱大局次元」の関連用語

1
100% |||||

2
12% |||||

弱大局次元のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



弱大局次元のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの弱次元 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの弱次元 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS