こうしょう〔カウシヤウ〕【康尚】
康尚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/14 05:56 UTC 版)
康尚(こうしょう、生没年未詳)は、平安時代中期の仏師。「仏師職の祖」と称される。光孝源氏で、日向守・源康行の子。定朝の父。
康尚が最初どのような仏所組織に属していたかは不明だが、やがて寺院付属の工房から離れ私立の工房を形成、定朝をはじめ多くの弟子を抱える専業的な造像体制を確立し、皇室、摂関家などの造寺発願や、高野山、比叡山などで造仏に従事した。
作品
確実な遺作は伝存しないが、東福寺同聚院不動明王坐像は伝康尚作とされる。本作の制作にあたって、康尚は智証大師請来様と言われる図様に従いながらも、醜悪さを廃し優美さを盛り込んだ。仏教的な規範よりも美意識を優先できる、専業仏師ならではの作品と言え、洗練・優雅な定朝様の先駆となる作品である。
参考資料
- 伊東史朗 『日本の美術458 平安時代後期の彫刻 信仰と美の調和』 至文堂、2004年。ISBN 4-7843-3458-0。
康尚と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- >> 「康尚」を含む用語の索引
- 康尚のページへのリンク