床屋の第五の兄エル・アスシャールの物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「床屋の第五の兄エル・アスシャールの物語」の解説
なまけものの兄は父の遺産を受け取ると、それを元手にガラス細工の露天商をしていた。店番をしながら美しい大宰相の娘を妻にめとる妄想をする。妄想はどんどんエスカレートし、地位のある娘につれなくする空想のはずみに足をふると、売り物のガラス細工を蹴倒してすべてこわしてしまう。嘆いていると大勢の従者を連れた婦人が、兄に施しを与えた。その後兄の家に老婆が訪ねてきて、あの婦人はお前に気があるために金を与えたのだという。導きにしたがって婦人を訪ね、兄は楽しい一夜を過ごすが、次の朝屈強な黒人があらわれて兄をずたずたに切り裂き、身ぐるみをはいで地下のあなぐらに放り込んでしまった。これは盗賊団の罠だったのである!奇跡的に一命をとりとめた兄は、逆に一味を罠にかけて黒人や老婆たちを殺してしまう。そして女にせまると、彼女はむりやり連れてこられ協力させられていたという。兄は女をゆるし、盗賊団がためた金を持ち出すために人足を呼びにいって戻ってみると、すでに女の姿はなく、そこへ警吏があらわれて兄は捕らえられてしまった。奉行は金をすべて着服し、兄は追放される。さらに城門をでたところで強盗におそわれ、兄が無一文であることを知るとかれらはその腹いせに兄の唇と鼻を切り取ったのである。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。
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