干支の聖母とは? わかりやすく解説

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干支の聖母

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 04:52 UTC 版)

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『干支の聖母』
イタリア語: Madonna dello Zodiaco
英語: Madonna of the Zodiac
作者 コズメ・トゥーラ
製作年 1459年から1463年頃
種類 板上にテンペラ
寸法 61 cm × 41 cm (24 in × 16 in)
所蔵 アカデミア美術館 (ヴェネツィア)

干支の聖母』(えとのせいぼ、伊: Madonna dello Zodiaco)は、イタリアルネサンス期の画家、コズメ・トゥーラによる1459-1463年ごろの板上のテンペラ画である。名称は聖母マリアの背後にある、部分的に失われた干支を表す金の輪郭に由来するが、干支は「クロノクレーター (chronocrator: 宇宙時間の支配者)」としてのキリストの役割を表している[1][2]。現在、ヴェネツィアアカデミア美術館に所蔵されている。

作品はメルラーラで制作され、かつてベルトルディ家に所有されていた。サン・ニコラ教会の歴史的な礼拝堂(現在は破壊されており、柱頭が1つしか残っていない)のために制作されたのかもしれない。この礼拝堂は、長い間、ベルトルディ家の私的な礼拝堂であった。基部には、「SVIGLIAELTUO FIGLIO DOLCE MADRE PIA / PER FAR INFIN FELICEL'ALMAMIA」の刻印がある[3]。作品の上部には、シエナのベルナルディーノが推進するシンボルである「IHS」(「人類の救い主イエス」を表す) を持った天使たちのルネットがある。

概要と様式

疑似木製額縁の中で、聖母マリアは幼子イエス・キリストを腕に抱き、ゴシキヒワが止まっている2つのブドウの房の間を見ている。これは、イエスの聖体の犠牲への二重の言及である。

眠っている息子を甘やかな表情で見ているマリアの後ろには、金で縁取られた干支(黄道帯)が1つあり(一部失われている)、これは「クロニクラー」、つまり宇宙時間の支配者としてのキリストの役割を示唆している。水瓶座うお座のシンボルは特に認識できるが、他のシンボルは失われている。マリアは頭に青いマント、赤い衣服、白いヴェールを身に着けており、画家の典型的な様式として金属的な襞がエンボス加工されている。すべてが正確な図像的表現と「エナメル的な」効果のある色彩で示されている。

脚注

  1. ^ (イタリア語) Matilde Battistini, Simboli e Allegorie, Electa, Milano 2002. ISBN 9788843581740
  2. ^ Catalogue entry” (イタリア語). 2021年8月9日閲覧。
  3. ^ Article on the painting”. 2021年8月9日閲覧。



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