川上犬とは? わかりやすく解説

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川上犬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/31 02:02 UTC 版)

川上犬
長野県の須坂動物園で飼育されている川上犬
別名 信州川上犬、川上狼犬
特徴
体高 オス 38-45cm
メス 35-42cm
毛色 赤柴・黒柴・白・赤
主要畜犬団体による分類と標準
主要畜犬団体による分類はありません
イヌ (Canis lupus familiaris)

川上犬(かわかみけん[1])は、長野県南佐久郡川上村原産の日本犬(地犬)である。昭和初期には主に梓山村(町村合併で川上村梓山地区に)で飼われていたため、梓山犬(あずさやまいぬ)と呼ばれていた。かつては、その希少性から長野県の天然記念物に指定されていた。しかしすべての川上犬が天然記念物なのではなく、審査を経て認定された個体だけが指定される。現在はすべての指定個体が寿命を終えているため、天然記念物の川上犬はいない。

特徴

  • 和犬の一種で、立ち耳、巻尾。目は黒または茶色。
  • 毛色は黒、茶、赤、白。
  • 川上村では猟犬として飼われていた。
  • 性格は活発で好奇心旺盛。また、番犬に向いている。

血統と保存活動

恩納村の川上犬「うんなレタ助」

古くは猟犬としての勇敢さを保つために、雌犬を山中に留めてニホンオオカミと交配させたという伝承がある。一方で、南佐久郡南牧村平沢地区で飼育されていた日本犬の純血種が元になっているという伝承もある。

秋田犬などと同様に第二次世界大戦や戦後は食糧難などで、頭数が減ったり、多種との交配が進み、純血種としては絶滅の危機に陥った。そして昭和43年(1968年)に、純血性が薄れたということで、長野県天然記念物の指定を解除される事態に陥った。だが、同年に信州川上犬保存会による保護育成が始まり、純血種との交配を続けて、昭和58年(1983年)に純血性が高まったとして、再び県の天然記念物に指定された[2]

現在、川上村内でも数十頭、全国でも300頭前後しかいない非常に貴重な犬種である[2]2006年の正月には年にちなんで上野動物園で短期間、子犬が数匹展示された[3]。また同年、6月には須坂市動物園(長野県須坂市)に川上犬の子犬「源竜」(オス)が寄贈された(2011年9月21日死亡)[4]。2009年からは小諸市動物園小諸市)で「さくら」(メス)が飼育されていた(2024年9月23日死亡)[5]

2018年、川上村と友好都市である沖縄県恩納村にオスの川上犬が寄贈され、川上村のマスコットキャラクター「レタ助」にちなんで[6]「うんなレタ助」と命名された[2]

その他

  • 村の名前が犬の品種の名前の由来になっている、唯一の犬の品種である。

ギャラリー

脚注

注釈

出典

  1. ^ 長野県の芸術・文化情報センター 八十二文化財団”. 八十二文化財団. 2022年7月28日閲覧。
  2. ^ a b c 総務課(編)「川上犬贈呈式」『広報 おんな』第442号、恩納村、2018年4月、15頁。 
  3. ^ 川上犬基礎情報”. 川上村 (2023年10月23日). 2024年9月26日閲覧。
  4. ^ 川上犬「源竜」死亡による検査結果がでました”. 須坂市動物園日記 (2011年10月1日). 2024年9月26日閲覧。
  5. ^ 川上犬「さくら」が天国へ旅立ちました”. 川上村 (2024年9月24日). 2024年9月26日閲覧。
  6. ^ 川上村マスコットキャラクター「レタ助」|川上村”. www.vill.kawakami.nagano.jp. 2024年9月26日閲覧。

関連項目

参考文献

外部リンク


川上犬

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 08:29 UTC 版)

和語の漢字表記

川上かわかみいぬかわかみけん)

  1. かわかみいぬ漢字表記



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