川の鰻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 10:23 UTC 版)
吉四六が隣の村の川に来て鰻を釣っていた。そこに一人の武士がやってきて、「お前は隣の村の吉四六だな。うちの川の鰻を勝手に釣るとはけしからん。釣った鰻を全部わしによこせ」と吉四六に怒鳴る。しかし吉四六は、「わしはここの鰻を釣っているのではない。さっき、うちの村の川から数百匹の鰻がこっちへ逃げてきたから、わしはその鰻を釣っているのじゃ」と言い訳をする。そして、大きな鰻が釣れると「こいつはこの前わしが釣り逃した鰻じゃ」と言ってすばやく魚籠に入れ、小さな鰻が釣れると「こいつはさっぱり見覚えがない。こいつはここの鰻じゃな」と言って逃がしてしまう。このように適当な理屈を並べ立てて、何も言えず唖然として立ち尽くす武士を尻目に、吉四六は大きな鰻を魚籠いっぱいに釣って帰って行ったのだった(類似作では、小さな鰻さえも「わしの餌を勝手に食べるとはけしからん。懲らしめてやる」と言って、どさくさに捕獲するバージョンもある)。
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