展張と削ぎ落とし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 23:43 UTC 版)
脱毛が終わってたっぷりと水気を含んだ皮に紐を使い木枠へ強く張る。近年では皮の周縁に紐を結び、枠に等間隔で穿った穴に差し込んだ木栓に紐の他端を巻き付け、木栓をねじることにより紐の張力を調整する。この際、剥皮または脱毛工程中につけた傷を見逃すと展張によって皮に円ないし楕円形の穴が開くことがあるので、事前に傷を見つけた場合は糸で縫い合わせる。どちらかというと実用本位だった中世の修道院で作られた写本にはこのような穴がぱっくり開いたページを見ることは珍しくない。こうしてピンと張った皮の両面、特に肉面を、三日月型のナイフ (en:lunellum) で強く削る。これにより皮が伸びるので、木栓を回し木枠側の紐を締めて皮を常にピンと張った状態に保つ。その後枠に張ったまま皮を乾燥させる。完全に乾いたらさらにまた削ぎ取りを行う。皮の銀面の光沢が残っていると書きにくいので、この段階で残っていれば完全に削り取る。最終的に皮は太鼓に張ったそれのような状態になる。
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