寿命とマラリア原虫を保有する確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 02:42 UTC 版)
「ハマダラカ」の記事における「寿命とマラリア原虫を保有する確率」の解説
ハマダラカの行動における重要な点として、ハマダラカはヒトやウシの血を好んで栄養源とすることが挙げられる。ヒト寄生性のハマダラカは、よりマラリアの媒介者となりやすい。ほとんどのハマダラカは、ヒトやウシのみに栄養源を頼っていない。しかし、アフリカでマラリアの媒介者となっているガンビエハマダラカや A. funestus はとりわけヒト寄生性が強いため、より効果的なマラリアの媒介者となっている。 マラリア原虫がハマダラカにとりこまれると、ヒトに感染する前にハマダラカ内で繁殖を進める必要がある。ハマダラカ内で繁殖するのにかかる期間(潜伏期間)はおよそ10–21日である(寄生した種や温度によって異なる)。もし寄主であるハマダラカの寿命が、潜伏期間より短ければ、ヒトやウシにマラリアを感染させることが出来ない。 野外でハマダラカの寿命を正確に測定することは困難であるが、一日の生存率(一日に観察された成虫の内、翌日まで生存した割合)を測定することによる間接的な生存期間の推定は、ハマダラカの何種類かで行われている。例えばタンザニアのガンビエハマダラカは、一日の生存率が77%から84%であるハマダラカの成虫の生存率は一定であるため、この生存率から、10%以下のガンビエハマダラカのメスだけが、マラリア原虫の潜伏期間である2週間以上生存していることが推測される。もし一日の生存率が90%に上昇すれば、20%以上のハマダラカのメスが、マラリア原虫の潜伏期間である2週間以上生存していることになる。
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