完全発酵のメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 07:23 UTC 版)
発酵している醪を自然に放置しておくと、上記の分解がどんどん進んでいくが、けっしてそれは無限に続く作用ではない。あるところで止まる。それは以下の二つの理由による。 分解元である糖の枯渇 ブドウ糖その他の分解の元となりうる糖分(発酵性糖分)が醪のなかに存在する量が、発酵の初めから決まっているし、それが分解によって使い尽くされていくからである。なお、醪には発酵に使われない糖分(非発酵性糖分)も含まれており、それは残るので、たとえ完全発酵させても醪から糖分がまったくなくなるわけではない。 酵母自身のアルコールによる死滅 酵母が、自ら分解によって生じたアルコール分があまり多くなると、そのアルコール濃度の高さゆえに死滅してしまうからである。このため醪を自然に放置していても、アルコール分は約21度以上には高くならない。 以上のような理由から、醪を放置したときの発酵作用は有限で、あるところで止まるわけだが、そこまで自然に酵母にゆだねて発酵させきることを完全発酵というわけである。
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