孫易磊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 17:47 UTC 版)
北海道日本ハムファイターズ #96 | |
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基本情報 | |
国籍 | ![]() |
出身地 | 台北市 |
生年月日 | 2005年2月10日(20歳) |
身長 体重 |
183 cm 93 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2023年 |
初出場 | NPB / 2025年5月22日 |
年俸 | 600万円(2025年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム | ![]() |
WBC | 2026年予選 |
この表について
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孫 易磊(スン・イーレイ、ウェード式:Sun Yi-Lei、2005年2月10日 - )は、台湾(中華民国)の台北市出身のプロ野球選手(投手)。右投左打。北海道日本ハムファイターズ所属。
経歴
プロ入り前
5歳上の兄に憧れて野球を始め、小学校卒業前にはリトルリーグの国内予選を勝ち抜き、U12ワールドカップの代表にも招集された。中学時代は、ポニーリーグワールドシリーズでは準決勝で勝ち越し本塁打、決勝では先発で勝利投手となり優勝に貢献するなど、各大会で投打に活躍した[1]。
新北市穀保高級家事商業職業学校[注 1]では入学直後からレギュラー入り[1]。1年時は一塁手や外野手としてプレーしていたが[2]、2年時からは主軸を打ちながら投手として登板機会を増やした。新3年生として迎えた2022年9月のU-18ワールドカップでは外野手登録ながら投手としても起用され、登板日以外はDHやライトで出場し、台湾の準優勝に貢献[1]。3年時は投手がメインとなり、台湾プロ野球のドラフトに参加すれば上位指名確実とみられていたが、海外挑戦を希望し、2023年初めに海外リーグからのオファーを待つために大学進学を表明した[3]。5月末から6月上旬にかけて開催されたU-18ワールドカップ代表候補選抜大会では外野手としての選出であったが、主戦投手として期待されていた林盛恩がシンシナティ・レッズと契約し、野手として育成される都合で投手としての代表参加が困難となり、孫はエースに指名され、投手として本大会の代表に選出された[1]。9月には中国文化大学に進学[3]。同月上旬に開催されたU-18ワールドカップでは4試合・14イニングを投げ、15奪三振・防御率0.50を記録し[2]、台湾の準優勝に貢献した[4]。
日本ハム時代
9月29日に北海道日本ハムファイターズとの育成選手契約に合意した[5][注 2]。4年契約で翌年の年俸は600万円、契約金は7500万円(いずれも金額は推定)であり、背番号は196と発表された[6]。
2024年の春季キャンプは二軍の沖縄・国頭キャンプで調整を行い[7]、4月19日、イースタン・リーグの対オイシックス戦(ファイターズ鎌ケ谷スタジアム)への先発登板で実戦デビューする。1回23球を投げ、1四球、1奪三振で無安打無失点の内容で、球速は最速152km/hを計測した[8][9]。
2025年は5月21日時点でイースタン・リーグにおいて7試合に登板し、2勝0敗、防御率1.35と結果を残していた[10]。5月22日に球団から支配下選手への昇格が発表された[10]。背番号は96[10]。5月22日のソフトバンク戦で初登板を果たした[11]。5月27日のソフトバンク戦で、3点リードの9回に登板し、三者凡退に抑え、一軍での3登板目でプロ初セーブを挙げた。なお、20歳3か月でのセーブは、堀瑞輝の記録を抜き、球団最年少記録となった[12]。
選手としての特徴
体重移動の際に左足が“くの字”になる独特のステップを踏む投球フォーム[13]から最速157km/hのストレート[14]、チェンジアップ、フォーク、スライダーを投じる[15]。
アマチュア時代は一塁手と外野手も守る二刀流であり、獲得に際して日本ハムの稲葉篤紀GMは投手一本の意向を示していたが、新庄剛志一軍監督は「大谷君を超えるかもしれない。ファイターズは可能性ある限り挑戦させて、それをいかせる球団。面白い」と二刀流での育成プランを明かした[4]。
人物
優れたアスリートを多数産んできた台湾原住民族・アミ族の血を引いている[1]。
兄の孫易伸もCPBL・台鋼ホークスでプレーするプロ野球選手(外野手)である[15]。
詳細情報
記録
NPB
初記録
- 投手記録
- 初登板・初ホールド:2025年5月22日、対福岡ソフトバンクホークス8回戦(エスコンフィールドHOKKAIDO)、9回表に5番手で救援登板、2回無失点[11]
- 初奪三振:2025年5月25日、対東北楽天ゴールデンイーグルス11回戦(楽天モバイルパーク宮城)、12回裏に小郷裕哉から空振り三振[16]
- 初セーブ:2025年5月27日、対福岡ソフトバンクホークス10回戦(みずほPayPayドーム福岡)、9回裏に3番手で救援登板・完了、1回無失点[17] ※20歳3か月でのセーブは堀瑞輝の20歳5か月を抜いて球団最年少記録[17]
- 初先発登板:2025年8月11日、対福岡ソフトバンクホークス19回戦(みずほPayPayドーム福岡)、3回1/3を2失点で敗戦投手[18]
背番号
代表歴
- 第30回U-18ワールドカップ チャイニーズタイペイ代表
- 第31回U-18ワールドカップ チャイニーズタイペイ代表
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 「台湾在住記者がファイターズファンに送る、「台湾の宝」孫易磊(スン・イーレイ)徹底ガイド」『パ・リーグ.com』2023年11月3日。2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 「【日本ハム】新庄監督が一目ぼれ“台湾の至宝”孫易磊と契約合意 巻き返しへ早くも補強第1弾」『日刊スポーツ』2023年9月29日。2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 「“逸材18歳”が追う大谷翔平の背中 子どもの頃から大ファン…日本ハム入団の運命」『Full-Count』2023年11月5日。2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 「【日本ハム】新庄剛志監督、「台湾の宝」孫易磊を二刀流で育てるプラン「大谷君を超える」」『スポーツ報知』2023年10月31日。2023年12月9日閲覧。
- ^ 「孫易磊(スン・イーレイ)投手と契約合意」『北海道日本ハムファイターズ』2023年9月29日。2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 「U18台湾代表・孫易磊 日本ハム入団会見 育成4年契約「早く支配下の選手に」」『Sponichi Annex』2023年10月17日。2023年12月9日閲覧。
- ^ 「【日本ハム】“台湾の至宝”孫易磊、新庄監督から初の生チェック「打ちづらそうなピッチャー」」『日刊スポーツ』2024年2月22日。2024年4月23日閲覧。
- ^ 「【日本ハム】“台湾の至宝”孫易磊が2軍戦で実戦デビュー 陽岱鋼抑えるなど1回零封152キロ」『日刊スポーツ』2024年4月19日。2024年4月23日閲覧。
- ^ 「日本ハム、“台湾の至宝”・孫易磊が実戦デビュー!1イニングを無失点投球、陽岱鋼との対戦も…!」『BASEBALL KING』2024年4月19日。2024年4月23日閲覧。
- ^ a b c d 「日本ハム “台湾の至宝”孫易磊、支配下契約 新庄監督「9回を投げてウイニングボールを家族に」」『スポニチ Sponichi Annex』2025年5月22日。2025年5月22日閲覧。
- ^ a b 「【日本ハム】孫易磊が2回無失点の鮮烈デビュー!同点9回しびれる場面で登場、山川を直球で中飛」『日刊スポーツ』2025年5月22日。2025年5月22日閲覧。
- ^ 「台湾の至宝がプロ初セーブ 日本ハム・孫易磊が九回をピシャリ 新庄監督は起用決断のコーチに感心「僕寄りになってきた。肝っ玉座ってきましたね」」『デイリースポーツ』2025年5月27日。2025年6月30日閲覧。
- ^ 「台湾の至宝・孫易磊が始動 剛速球生む独自のステップに一流投手との共通点」『道新スポーツ』2023年11月1日。2023年12月9日閲覧。
- ^ 「日本ハム入団の台湾代表・孫易磊投手が自己最速の157キロをマーク BFAアジア選手権の日本代表戦」『Sponichi Annex』2023年12月8日。2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 「【日本ハム】“台湾の至宝”孫易磊「絶対間違いない」大谷翔平ら輩出の育成手腕が入団決め手に」『日刊スポーツ』2023年10月30日。2023年12月9日閲覧。
- ^ 「【日本ハム】孫易磊、支配下昇格から2戦計3回無失点「抜けがすごい」新庄監督絶賛」『日刊スポーツ』2025年5月25日。2025年5月27日閲覧。
- ^ a b 「【日本ハム】20歳孫易磊が球団最年少セーブ「緊張、しないです」5回にクローザー告げられるも」『日刊スポーツ』2025年5月28日。2025年5月28日閲覧。
- ^ “日本ハム・新庄監督 来日初先発の孫易磊の降板理由説明「右足つった」4回途中2失点に「良い経験」 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2025年8月11日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 個人年度別成績 孫易磊 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手名鑑 - 北海道日本ハムファイターズ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 孫易磊のページへのリンク