孤憤(第十一編)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 17:04 UTC 版)
法の力によって君主の元で正しい政治を実現しようとする者(法術の士)と、君主に気に入られ、多くの人を従えて、私利を図り王朝を害している臣下(当途の人)とは相容れない敵どうしである。しかし当途の人は、君主に気に入られており、君主と顔なじみであり、耳に気分のよいことだけを言い、身分が高く、子分を多く従えている。そのような相手に対して、君主のおぼえがなく、新参者で、耳の痛いことを口にし、身分が低く、味方のいない法術の士が勝てる見こみは、全く薄いのである。そしてこの力の差を以って、法術の士は身の危険にさらされる。当途の人は何か罪をでっちあげられるのならば、刑罰を利用して表から殺そうとし、それができなければ刺客を放って裏から殺そうとする。このような状況にあって、当途の人とそれにつきしたがって利益を得ようとする下の者たちが好き勝手にふるまい、有能な者や潔白な者が彼らにはばまれ、政治が腐って王朝をほろぼすのである。
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