奇数の完全数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 03:48 UTC 版)
奇数の完全数が存在するか否かは未解決であるが、約数関数は乗法的 (英: multiplicative) であることから、二平方数の和であることが古くから知られていた。もし奇数の完全数 N が存在すれば、N は以下の各条件を満たさなければならないことが知られている。 N の素因数分解は qαp12e1 … pk2ek の形である。ここで q, p1 < p2 < … < pk は相異なる素数で q ≡ α ≡ 1 (mod 4) を満たす。N < 24k+1 である。 p1 < 2/3k + 2 である。また 2 ≤ i ≤ 6 のとき pi < 22i−1(k − i + 1) である。 e1 ≡ e2 ≡ … ≡ ek ≡ 1 (mod 3) ではない。 e1 ≡ e2 ≡ … ≡ ek ≡ 2 (mod 5) ではない. e1 = e2 = … = ek = β とすると、β は 1, 2, 3, 5, 6, 8, 11, 12, 14, 17, 18, 24, 62 ではない。さらにk ≤ 2β2 + 8β + 2 である。 N ≡ 1 (mod 12) または N ≡ 1/2 ・ 32e1(32e1+1 − 1) (mod 2 ・ 32e1(32e1+1 − 1)) である。 N > 101500 である。これは1991年に示されたを約20年ぶりに改良したものである。 N は少なくとも10個の相異なる素因数を持つ。これは2015年に発表されたものであるが、「9個以上」を示した2006年の結果を改良したものである。「7個」の場合は1972年までにカール・ポメランスによって示され、「8個」の場合は1980年ごろに Cheinと Hagisによってほぼ同時に示されており、その後多くの数学者の努力にもかかわらず、26年もの間「9個」の場合は示されなかった。 N が 3 で割り切れない場合は、少なくとも12個の素因数を持つ。3 でも 5 でも割り切れない場合は15個以上の、3 でも 5 でも 7 でも割り切れない場合は27個以上の相異なる素因数を持つ。 N は重複も数えて少なくとも101個の素因数を持つ。 N は 108 より大きい素因数を持つ。これは2006年に発表されたものであるが、より古い下界としては2003年の 107や、1998年の 106などがある。 N の2番目に大きな素因数は 104 より大きい。 N の3番目に大きな素因数は 100 より大きい。 N は 1062 より大きい素数冪因数を持つ。
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