大千島列島とは? わかりやすく解説

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大千島列島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 16:50 UTC 版)

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大千島列島

大千島列島(だいちしまれっとう)、または大クリル列島(だいクリルれっとう、: Большие Курилы: Greater Kuril Chain)は、千島列島の一部で、太平洋上にある列島である。北千島択捉島国後島を含む。色丹島歯舞群島などが含まれる小千島列島とは南千島海峡で隔てられている。列島の長さは1200キロ、総面積は10,100km²、列島内の最高峰は阿頼度島にある阿頼度山で2,339mとなっている。

「大千島列島」は小千島列島が千島列島に含まれるという前提での呼び方であり、小千島列島が千島列島に含まれないとする立場からは大千島列島を単に「千島列島」と呼ぶ。

全島をロシアが実効支配しているが、日本択捉島国後島の2島を千島列島に含まれない北方領土の一部として返還を求めている。

構成する島の一覧

日本語名 ロシア語名 英語名 名前の由来となったアイヌ語 面積
km 2 へいほうキロメートル
最高標高
m メートル
北緯 東経
占守島 しゅむしゅとう Шумшу
(シュムシュ)
Shumshu シュム・ウシ(南西・<そこに>ある→南西に存在する、或いは南西に入る)」※ 諸説あり 388 189
(三塚山)
50°45' 156°20'
阿頼度島 あらいどとう Атласова
(アトラソフ)
Atlasov アウ・ライト(噴火口の内が地獄のようにどろどろに溶けた溶岩の溜池) 150 2339
(阿頼度山)
50°50' 155°30'
幌筵島 ぱらむしるとう[1] Парамушир
(パラムシル)
Paramushir パラ・モシル(広い・島)ポロ・モシル(大きい・島)など 2053 1816
(千倉嶽)
50°30' 155°40'
志林規島 しりんきとう Анциферова
(アンツィフェロヴァ)
Antsiferov シ・リン・キ(甚だ・波・所→ひどく波立つ所) 7 747
(蓮華嶽)
50°12' 154°58'
磨勘留島 まかんるとう[2] Маканруши
(マカンルシ)
Makanrushi 「温禰古丹島の後ろにあって、潮の中に立つ島」の意とする説がある。 49 1171
(三高山)
49°45' 154°25'
温禰古丹島 おんねこたんとう Онекотан
(オネコタン)
Onekotan オンネ・コタン(大きな・村→大きな村) 425 1324
(黒石山)
49°25' 154°45'
春牟古丹島 はりむこたんとう[3] Харимкотан
(ハリムコタン)
Kharimkotan ハリム・コタン(オオウバユリ・村→オオウバユリの多い所)」
ハル・オマ・コタン(オオウバユリの鱗茎・そこにある・村→
オオウバユリがそこにある村)
68 1157
(春牟古丹嶽)
49°05' 154°30'
越渇磨島 えかるまとう Экарма
(エカルマ)
Ekarma エカリ・マ・ウシ(安全な船着場の多い所) 30 1170
(越渇磨嶽)
48°55' 153°55'
知林古丹島 ちりんこたんとう Чиринкотан
(チリンコタン)
Chirinkotan チリン・コタン(汚れた波<泥流>・村)→泥流に呑まれた村」 6 742 48°58' 153°30'
捨子古丹島 しゃすこたんとう Шиашкотан
(シアシュコタン)
Shiashkotan シャク・コタン(夏の・村)や シャシ・コタン(昆布・村)など諸説あり 122 934
(赤嶽)
48°50' 154°05'
牟知列岩 むしるれつがん Скалы Ловушки
(スカルラ・ロヴシュキ)
モシリ(島)
雷公計島 らいこけとう Райкоке
(ライコケ)
Raikoke ライ・コツ・ケ(地獄・穴、又は噴火口・所→地獄穴の所)」 4,6 551 48°17' 153°15'
松輪島 まつわとう Матуа
(マトゥア)
Matua モト・ア(土着の者だ吾々は)(
かつて千島アイヌが千島列島を行き来していた中で、本島に土着したアイヌ人が存在した。)
52 1446
(芙蓉山)
48°05' 153°10'
羅処和島 らしょわとう[4] Расшуа[5]
(ラスシュア)
Rasshua ルシ・オ・ア(毛皮が・そこに・豊富にある)など諸説あり 67 948
(幌茶登山)
47°45' 153°00'
摺手岩 すれでいわ Среднего
(スレドネワ)
Srednego ロシア語の「スレドネワ(Среднего/間の、中間の)」が変化したとされる 36
宇志知島 うししるとう Ушишир
(ウシシル)
Ushishir ウセイ・シル(温泉・大地→温泉のある大地) 5 401
(御笠山)
47°30' 152°50'
計吐夷島 けといとう Кетой
(ケトイ)
Ketoy ケウ・トイ(骸骨・悪い)[6] 73 1172
(計吐夷岳)
47°20' 152°30'
新知島 しむしるとう[7] Симушир
(シムシル)
Simushir シ・モシリ(大きい・島→大きい島) 353 1539
(冠山)
47°00' 151°55'
武魯頓島 ぶろとんとう[8] Броутона
(ブロウトナ)
Broutona 7 800 46°43' 150°45'
知理保以島 ちりほいとう(北島)[9] Чирпой
(チルポイ)
Chirpoy チリ・オ・イ(小鳥・そこに沢山いる・所→小鳥がそこに沢山いる所)」
北島と南島は、千島アイヌにはそれぞれ レプンモシリ[10]ヤンケモシリ[11]
と呼ばれていた。
21 691
(硫黄山)
46°30' 150°55'
知理保以南島 ちりほいみなみとう[12] Брат Чирпоев[13]
(ブラト・チルポエフ)
Brat Chirpoev 16 749
(知理保以岳)
46°28' 150°50'
得撫島 うるっぷとう Уруп
(ウループ)
Urup ウルプ(紅鱒) 1450 1426
(岩尾山)
45°50' 149°55'
択捉島 えとろふとう Итуруп
(イトゥルップ)
Iturup エトゥ・オロ・プ(岬の・ある・所) 3200 1634
(西単冠山)
44°50' 147°50'
国後島 くなしりとう Кунашир
(クナシル)
Kunashir クンネ・シリ(黒い・島→黒い島)または キナ・シリ または キナ・シル(草の・島→草の島)
(どちらが本当の由来かははっきりとしていない)
1490 1822
(爺爺岳)
44°05' 146°00'

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「ほろむしろとう」とも読まれる。
  2. ^ 史料によって名称が多少異なっている。詳細は磨勘留島の項を参照のこと。
  3. ^ 「はるむこたんとう」とも読まれる。また、加林古丹(かりんこたん)とも言い、由来は「カ・リン・ム・コタン(上・波<泥流>・這う・村→村の上を波<泥流>が這うように流れ下った村)」である。
  4. ^ 日本語では「らしゅわとう」「らすつあとう」とも読まれる。
  5. ^ "Расшя"とも。
  6. ^ 元禄御国絵図、正保御国絵図には島にある谷を「ケトナイ(両岸が骸骨のように聳立(しょうりつ)した渓谷)」との表記したことから島の名前に転じた。
  7. ^ 「しんしるとう」とも読まれる。
  8. ^ 島の名前は、1796年(寛政8年)から2年に渡り千島・サハリン沿岸を調査した、
    イギリス海軍プロヴィデンス号のブロートン艦長に由来する。アイヌ語では
    マック・アン・ルル(後ろ・ある・潮→後方の潮の中にある島)
  9. ^ 「ちぇるぽいとう」とも読まれる。
  10. ^ レプ・ウン・モシリ(沖・ある・島→沖にある島)を意味する。
  11. ^ ヤ・ウン・ケ・モシリ(陸、又は岸・ある・場所・島→陸の方にあるその島)を意味する。
  12. ^ 「ちぇるぽいみなみとう」とも読まれる。
  13. ^ 「チルポイの弟(兄)」の意。





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