外力の必要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)
旋衡風は、単なる水平方向の強風では生じにくい。水平方向には、スケールが小さくかつ大きな気圧傾度力が生まれないためである。旋衡風が発生するためには、他の何らかの外力が必要となる。実際の旋衡風でこの外力の役割を負っていると考えられているのが、上昇気流である。地上付近に偶然生じた(水平面で)回転性の風に、上昇気流による上からの吸引力が加えられると、気圧傾度力が急激に高まるとともに、回転性の風の直径が急速に小さくなって遠心力が増大し、コンパクトな旋衡風が形成される。このような外力が加わる持続時間はふつう、数秒~数十分に限られるので、旋衡風の持続時間もこの程度である。 竜巻や塵旋風では、水平方向に回転軸をもった縦長の渦巻きが形成される。ただ、地上・海上付近では、旋衡風の2力に加えて摩擦力が大きくなるため、遠心力が打ち消されて、回転性の低い単なる収束風に近い風が吹く。この収束風は風速が早く、周囲の空気を急速に吸い込んで上昇気流を支えることとなる。
※この「外力の必要性」の解説は、「旋衡風」の解説の一部です。
「外力の必要性」を含む「旋衡風」の記事については、「旋衡風」の概要を参照ください。
- 外力の必要性のページへのリンク