ラヴィーナ:夕べの愉しみ
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラヴィーナ:夕べの愉しみ | Les Joies du soir Op.57 | 初版出版地/出版社: Leduc 献呈先: Melles Carmen et Angèle de Acévèdo |
作品解説
〈夕べの愉しみ〉Les joies du soir はユゴーの第3巻第26編の詩。詩における「夕べ」とは人々が酒を飲み交わす楽しいひと時であると同時に、人生の「夕べ」すなわち死にゆくものがあの世に足を踏み入れる時である。詩人は12音節の荘重なスタイルで日々の何気ない生活を静観し、その先に彼が見た死と生のまさにその境界について書き綴っている。ラヴィーナの曲は日常の、現世的な愉しみを象徴するワルツの様式で書かれている。三部形式によっており、主題部ではト長調から変ロ長調への美しい転調が耳をひく。中間部とコーダには優美なワルツの調べを中断する半音階的なトレモロが挿入される。それはラヴィーナが日常の背後に見出した「死」のイメージであろうか。
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