変動相場制におけるクラウディングアウト効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 02:26 UTC 版)
「クラウディングアウト」の記事における「変動相場制におけるクラウディングアウト効果」の解説
通貨の変動相場制を前提とした経済においては、財政政策によって、金利上昇に伴う消費や投資の落ち込みではなく、通貨高による純輸出の減少という形でのクラウディングアウトが発生する。公共投資を行う場合、上述のように金利を上昇させる圧力が発生するが、これは開放経済においては他国からの資金の流入を呼ぶことになる。この資金流入によって金利は一定に保たれる一方で、変動相場制では自国通貨が増価することになる(日本でいえば円高になる)。自国通貨高は輸出減と輸入増をもたらすため総需要が減少し、公共投資によって増えた内需を相殺することになる。このような変動相場制の下では、財政政策が一時的なショックを除き無効になる一方で金融政策の効果は高まる(→マンデルフレミングモデル参照)。なお、変動相場制の下でのクラウディングアウトにおいては、金利を一定に保つよう海外からの資金流入が起きるので、金利上昇自体は観察されないこと[要出典]に注意が必要である。すなわち、金利上昇が見られないことを以てして、財政政策の効果は大きいと言うことは出来ない。
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