堆錦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/18 07:06 UTC 版)
Jump to navigation Jump to search堆錦(ついきん)は、琉球漆器における加飾技術の1つ。
琉球王国の正史である『球陽』では、1715年に比嘉乗昌(房弘徳)が創始したとする説を載せているが、17世紀初めに書かれた明の工芸書に既に紹介されており、その以前の段階で琉球から明に伝わる程度まで広まっていた。更にはタイ王国にも類似技術が存在することが知られている。
十分に焼いた黒め漆に、用途に合った顔料を混ぜて金槌で叩き、これを薄く延ばして「堆錦餅」と呼ばれる漆の塊を色ごとに作る。この裏側に漆を塗って仮板に貼って固定し、これに模様を付けたり凹凸を付けたり重ねて貼ったりした後に、仮板より剥がして模様に合わせて器物に貼り付ける[1]。堆錦餅の性質次第では、同一の模様を大量に型で打ち抜いたり、螺鈿と併用したり、立体的な彫刻を施したりすることも可能である。
大正期に入ると、堆錦餅を上下に分ける方法や、ぼかし表現の技法が開発された。近年では琉球ガラスとのコラボレーションも見られる[2]。
脚注
参考文献
- 中里寿克 『日本史大事典 4』 平凡社、1993年。ISBN 978-4-582-13104-8。
- 末次智 『日本歴史大事典 2』 小学館、2000年。ISBN 978-4-09-523002-3。
- 粟国恭子「沈金と堆錦技法の琉球漆器 : 朱漆鳳風牡丹文沈金東道盆と黒漆山水文堆錦総張文庫」、『沖縄県立芸術大学紀要』VI、沖縄県立芸術大学、2007年、 ISSN 09188924、 NAID 110006424719。
- 糸数政次 『堆錦加飾の簡素化に関する研究2』 沖縄県工芸振興センター。
関連項目
堆錦(ついきん)
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琉球漆器を代表する漆工。漆に多量の顔料を添加し堆錦餅を作り、それを加工し用いる。
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