地軸と北極星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 05:40 UTC 版)
地軸は、公転の影響を受けないため、常に一定の方向を指す。そのため、天球の北半球と地軸の交点付近の恒星である北極星は、1日のどの時刻であっても、1年のどの季節であっても同じ高度(角度)に見える。この高度は観測者の居る地点の緯度によってだけ決まるので、北極星の高度を測定すれば(もちろん北極星の見える北半球においてであるが)、地球上のどの地点であっても緯度を計算できるのである。GPSなどが発達する以前、数百年にわたって北極星が航海などに役立ってきたのは、こうした地軸の性質による。 ただし、非常に長い期間を想定した場合、地軸自体の指す方向は変化する。これを歳差運動と呼ぶ。歳差運動自体は珍しいものではなく、コマの首振り運動のように日常観察できるものである。地軸の歳差運動の周期は約2万5,800年である。このため、北極星に該当する恒星も相対的に変化しているように観察される。
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