反応次数と律速段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 16:42 UTC 版)
「リンデマン・ヒンシェルウッド機構」の記事における「反応次数と律速段階」の解説
定常状態における方程式は混合次数であり、1分子反応は1次、2次反応の両方が可能で、どちらになるかは分母の2項のうちどちらが大きいかで変わることを示している。十分に低圧な環境の場合 k − 1 [ M ] ≪ k 2 {\displaystyle k_{-1}[{\ce {M}}]\ll k_{2}} であるから、 d [ P ] / d t = k 1 [ A ] [ M ] {\displaystyle d[{\ce {P}}]/dt=k_{1}[{\ce {A}}][{\ce {M}}]} 、つまり2次反応となる。このとき律速段階は2分子を活性化させる反応である第1段階である。 しかし高圧では k − 1 [ M ] ≫ k 2 {\displaystyle k_{-1}[{\ce {M}}]\gg k_{2}} であるから、 d [ P ] d t = k 1 k 2 k − 1 [ A ] {\displaystyle {\frac {d[{\ce {P}}]}{dt}}={\frac {k_{1}k_{2}}{k_{-1}}}[{\ce {A}}]} つまり1次反応となる。律速段階は第2段階、つまり活性化分子による単分子反応である。 この理論は、実効速度定数(係数) k u n i {\displaystyle k_{uni}} を定義することで確かめられる。実行速度定数は任意の圧力で正味の反応次数が1次だった場合、 d [ P ] d t = k u n i [ A ] , k u n i = 1 [ A ] d [ P ] d t {\displaystyle {\frac {d[{\ce {P}}]}{dt}}=k_{uni}[{\ce {A}}],\quad k_{uni}={\frac {1}{[A]}}{\frac {d[P]}{dt}}} となる。リンデマン・ヒンシェルウッド機構の主張ではkが圧力とともに低下し、その逆数は 1 k = k − 1 k 1 k 2 + 1 k 1 [ M ] {\displaystyle {\frac {1}{k}}={\frac {k_{-1}}{k_{1}k_{2}}}+{\frac {1}{k_{1}[{\ce {M}}]}}} を満たし、 1 [ M ] {\displaystyle {\frac {1}{[{\ce {M}}]}}} あるいは 1 p {\displaystyle {\frac {1}{p}}} の線形関数になる。実験的には、多くの反応において低圧で k {\displaystyle k} が減少するが、 1 / p {\displaystyle 1/p} の関数としてグラフに表した時の 1 / k {\displaystyle 1/k} はかなり曲がっていることがわかっている。1分子反応について速度定数の圧力依存性を正確に説明するためには、RRKM理論などのより詳細な理論が必要になる。
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