厚保層群の堆積の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 02:15 UTC 版)
南中国地塊南東縁では、南・北中国地塊の衝突の影響、インドシナの再縫合、および海洋プレートのロールバックが進行したことによる前期インドシナ期のAタイプ花崗岩・アルカリ岩(254-241 Ma)の貫入を伴う内陸部における伸張テクトニクスなどに起因して、後期ペルム紀から厚保層群の堆積開始(約2億4000万年前)までの間にナップテクトニクスにより内陸側の肥後帯の上昇や蓮華帯などの秋吉帯への衝上が生じ、現在の長門構造帯の圧砕花崗岩質岩の圧砕作用や蛇紋岩メランジの形成が生じたことが示唆されており、当時の前弧域で厚保層群の堆積が開始するのはこの変動の終息後となる。 なお、周防変成岩の源岩が沈み込み帯に集積された年代は、化石からの証拠を欠くものの山口県東部に分布する都濃層群中のオフィオライトの角閃石K-Ar年代(239 Ma)が周防変成作用以前の海洋底変成作用の年代を示すと考えられることから、この年代と周防変成岩の冷却年代(206-227 Ma)との間であったと考えられており、厚保層群の堆積が開始した頃に周防変成岩の原岩層の付加作用が始まったことになる。
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